2017/04/17
ピッカピカの一年生!
4月10日(月)、NTTデータグループのグループ会社新入社員研修におきまして、グループ会社の“先輩”を代表して講話をさせていただきました。
この日は首都圏のほとんどの学校におきましても入園式や入学式があり、新学期のスタートの日。さいたま市立の中学校の養護教諭(いわゆる保健室の先生)をやっている我が家の娘も珍しくちょっと華やかめのスーツ姿で出勤していきました。彼女は今年異動になったばかりなので、新しい学校で生徒の皆さんと顔をあわせるのはこの日が最初。キリッとした表情で出勤する姿は、我が娘ながらちょっと眩しかったです。「頑張って!」…後ろ姿に声には出さず言葉をかけちゃいました。
この日のNTTデータグループのグループ会社新入社員研修の全体講話は東京大手町のサンケイプラザ4階大ホールにおいて開催されました。この日の大手町サンケイプラザの前の桜(ソメイヨシノとは別品種のようですが…)は満開。今年、気象庁から東京での桜(ソメイヨシノ)の開花宣言が出されたのは平年より5日も早い3月21日のことでした。平年より5日も早い開花宣言だったため、こりゃあさすがに今年は入学式や入園式まで桜はもたないかな…と思ったのですが、その後、平年より低めの気温の日が続いたため、開花が続かず、満開宣言が出されたのは平年より1日早い4月2日のことでした。ただし、これは大手町の標本木に限ったことで、首都圏のほとんどの桜の木の開花は実感としてはそれより遅く、満開になったな…と実感できたのはこの日、4月10日前後だったように思えます。花びらが舞い散る満開の桜の木ノ下での入学式、入園式…、やはりこうじゃなくっちゃあいけません。子供達も思い出に残るのではないでしょうか。
思い出すのは今から39年前の4月1日、私が入社した日本電信電話公社(電電公社)の入社式は東京内幸町にあった電電公社の本社の講堂で行われたのですが、本社前の日比谷公園は満開の桜でビックリするほど綺麗でした。入社式後、新人研修が行われる世田谷区成城の電電公社の中央研修所にバスで移動したのですが、バスから見える東京の街並みにもあちこちで満開の桜が見え、また中央研修所では見事なまでに満開の桜が出迎えてくれました。生まれ故郷の四国、大学生活を送った広島から1人で上京してきて、新たに社会人となったわけで、正直なところ不安なところも多々あったのですが、東京の街の華やかさに加えてこの見事なまでに咲き誇った満開の桜の華やかさ…、これらに見惚れているうちに全ての不安が一気に消し飛んで、明るい希望一色になっていったような感じがしたのを、今でも鮮明に覚えています。
桜の花が新年度を迎え多くの人が新しい門出を迎えるこの時期に咲くからこそ、人々に大きな感動を与え、好まれているのでしょうね。満開の桜の花を見ていると、日本の国に生まれて本当に良かった…とさえ思えてきます。
この日のNTTデータグループのグループ会社新入社員研修の参加者は約500人。NTTデータ本体は単独で新入社員研修を行っているのですが、首都圏に本社を構えるグループ会社の多くはこうやって各社合同での新入社員研修を行なっており、私が講話の講師に招かれたのは、そのグループ会社合同での新入社員研修でした。私の前のNTTデータの椎名代表取締役副社長の講話が終わり、いよいよ私の出番です(不遜にも私がこの日の講話の“トリ”を務めさせていただきました)。
最近はビッグデータ関連や農業気象関連、防災関連等でいろいろなところからお招きを受けて講演をさせていただくことが多いのですが、さすがに約500人を前にしての講話っていうのは久し振りのことです。思い返せば、8年ぶりのことではないでしょうか。その時もNTTデータの新入社員研修での講話でした。当時、私はNTTデータの本社営業企画部長で、システムインテグレータという業種における営業の特徴や、課題、期待等について講話させていただいたのですが、今回は立場が大きく異なります。講師をお引き受けした時からいったい新入社員の皆さんになにを話そうか…と大いに悩ませていただいたのですが、事務局の方々と相談しているうちに、39年先輩という彼等にとっては“大先輩”として、ピッカピカの社会人1年生に贈る言葉集のものがいいだろう…ということになり、『プロになるための課題』という題名の講話にさせていただきました。
基本は、かつて埼玉大学工学部で非常勤講師を務めさせていただいた時に、シラバスに書かせていただいた正式な講義内容に加えて、“ちょっと横道(脱線という意味)”ということで、講義の中でアドリブで語っていたことを中心にまとめ直したものです。聴いていただく新入社員の皆さんは入社したばかりで(社会人になったばかりで)、仕事の中身のことや、専門的なことを聞かされても、まずトンチンカンで終わってしまうことでしょうからね。せっかく時間をいただくわけですから、聴いていただく皆さん全員に少しでも今後の参考になるような話をしてさしあげなくてはいけないな…との思いでした。
ということで、まずは仕事に取り組む“立ち位置”や“姿勢”をしっかりと自覚していただくこと…、これに力点を置いての講話にさせていただきました。社会人になったばかりのこの段階ではそれが一番重要なことだと私は思っておりますし、反対にここがしっかりと定まっていないと、今後の研修や実務を通してなにを教えられても、すぐには腑に落ちることもなく、結果として身に付きませんからね。この“立ち位置”と“姿勢”の重要性を中心に、私がこれまでの社会人経験から得たこと、また現在思っていることを話させていただきました。
裏のコンセプトは「将来、私の孫達の上司になるかもしれない人達に、なにをメッセージとして伝えておくか」ということでした。私には現在3歳7ヶ月と0歳9ヶ月の2人の孫がいるのですが、この2人が彼等のように社会人として巣立っていくのはこれからおよそ20年後。その時、今年の新入社員の皆さんは中堅社員として最前線でバリバリ活躍なさっていることと思われますし、もしかしたらもしかしたで、今年の新入社員の皆さんの中には、将来、私の孫達の上司になる人が出てくるかもしれませんからね。「孫達の世代にジイジとして何を残しておくか」を現在の仕事に対するモチベーションの最大の源泉としている私としては当然の帰結のようなものです。
こういうことで登壇させていただいたのですが、さすがに約500名というピッカピカの社会人1年生の大集団を前にすると、たじろぎますね(笑)。前述のようにこのところ講演させていただく機会が多く、200人や300人の人達の前で話させていただくことには慣れてきているのですが、この集団はそれとは全く異なります。一瞬たじろいだのは人数の多さもありますが、それ以上に壇上の私に集中される視線の強さでした。まだまだ着慣れていない新調したばかりのピッカピカのビジネススーツに身を包んだ約500人の、希望に満ちたキラッキラした顔と好奇心に満ちた約1,000個の目による眼差しで、壇上に登場した私を一斉に見つめてくるのです。これにはさすがに「オォッ!」っと一瞬たじろぎました。
講話の最初には受講者全員が立ち上がって「よろしくお願いします!」と挨拶。新入社員らしく大きな声で、それも約500人の大きな声で挨拶をされると、こちらも嬉しくなって、“やる気スイッチ”がONになっちゃいます。「いっちょ、やったるか!」って気分になり、私の経歴からはじめて、約50分間、一気に講話をさせていただきました。聴いていただく皆さんの目は真剣そのもの。熱心にメモを採られていて、ちょっと圧倒されるようなところもありましたね。聴いていただく皆さんの熱気に反応しちゃって、いつも以上に熱いトーンで語らせていただきました。ホント好感が持てました。(周囲は私が時間内に講話を終えることができるのか…と大いに心配していたようですが、ちゃんと時間通りにやりましたよ・笑)。講話終了後、会場からの質問を受けたのですが、次々と質問の手が上がるので嬉しかったですね。約500名もいる中で、質問の手を上げるのはなかなか勇気が要ることです。質問の内容もこちらが時間の関係や話の展開上で言いきれなかった部分を引き出してくれるような質問があったりして、嬉しかったですね。将来、NTTデータグループを支えてくれそうな元気ある若者が揃っていることが確認でき、大いに期待ができました。
講話の後は懇親会。私も“大先輩”の1人として飛び入りで参加させていただき、新入社員の皆さんと交流させていただきました。その場でもいろいろな質問を受けたのですが、元気で積極的な若者が揃っているな…という印象を持ちました。同じNTTデータグループということで、会社の枠を超えて、他のグループ会社の社員達との交流も既に活発に始まっているようで、将来に向けて大きく期待が感じられました。ここがグループ会社合同で新入社員研修を開催するということの大きな意義の1つなのですね。この年次の若者達は、将来きっとグループを支えてくれることでしょう。“大先輩”の1人として頼もしく思っちゃいました。そして、私も彼等から元気をいただきました。
頑張れ! 期待しています!
【追記1】 弊社はこのところ中途採用で気象予報士資格保有者ばかりを採用してきたのですが、社員の年齢構成を考えると、そろそろ久し振りに新卒の採用もやりたいな…と思っています。その時には、必ずこのグループ会社合同での新入社員研修に送り込み、会社の枠を超えた交流を若いうちから行わせたいな…と思っています。
【追記2】 この日のスライド投影資料のダイジェスト版は、こちらからダウンロードできます。年度末のバタバタしていた時期に作成したため、資料としてイマイチこなれていないので恥ずかしいのですが、この日、聴いていただいた新入社員の皆さんがあまりに熱心にメモを採っていたので、参考までにここに掲載することにしました。
2017年度NTTデータグループ新入社員講話…公開資料 pdf
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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