2017/05/12
中山道六十九次・街道歩き【第11回: 高崎→安中】(その3)
「信州道分去れ道標」から旧中山道(群馬県道26号高崎安中渋川線)を西へと進みます。
しばらく進むと、ひときわ目立つ赤い鳥居が立っています。若宮八幡宮の鳥居です。この若宮八幡宮は永承6年(1051年)、「前九年の役」の際に源頼義・義家父子が戦勝祈願のために建立したと伝わっています。明治期には日露戦争の旅順での203高地の戦いで有名な乃木希典陸軍大将も参拝したという由緒ある神社です。古い歴史をもつ境内には、榎木や椋の木、欅など何本もの巨樹が聳えています。
この榎木(エノキ)の古木の上部には、でっかいサルノコシカケ(キノコ)が数個ついています。
下豊岡町から中豊岡町に入りました。どことなく旧街道の面影が残っています。
街道沿いに「赤き姿に丸き心 高崎だるま」と書かれた何本もの幟が立てられています。高崎は全国の約8割を占める“だるま”の生産地で、お馴染みの丸く赤い“縁起だるま”は眉が鶴、髭が亀と松を表す縁起の良い伝統工芸品です。近郊の達磨寺が発祥の地で、毎年1月6日、7日には高崎だるま市が盛大に開かれます。この通りには数軒、高崎名物、“縁起だるま”の製造工場があり、店先には目の描かれていない真っ赤な“だるま”が並んでいます。
中豊岡町から上豊岡町へ。僅かながら旧中山道の雰囲気を残す街道を少し行くと門構えの立派な大きな建物があります。飯野家の茶屋本陣(上豊岡茶屋本陣)です。この上豊岡茶屋本陣は高崎宿と板鼻宿の間に設けられた休憩施設で、日光例幣使の公家や、徳川家に降嫁する皇女和宮、参勤途中の大名達が立ち寄って休憩したところです。
代々飯野家が所有してきた建物は、平成9年まで飯野家個人の住居として使われてきました。飯野家では、居住のために内部の改装を行ってきたのですが、皇女和宮も小休止され、大名などの休息部屋であった書院造りの「上段の間」と「次の間」だけは江戸時代のまま手を加えていないのだそうです。公開されているので建物の中に入ってみました。さすがに皇女和宮も小休止されたお部屋、見事な造りです。また、庭園も見事です。
この上豊岡茶屋本陣の前で、高崎の観光ボランティアガイドさんの説明を受けました。その説明を聴いた後、街道歩きの再開です。
この上豊岡茶屋本陣の先で旧中山道(群馬県道26号高崎安中渋川線)は国道18号線と合流するのですが、その手前に一目で養蚕をやっていたとわかる大きな家が建っています。屋根に小屋根が乗っていて、そこの窓の開け閉めで蚕を育てる室内の温度を調節していました。
旧中山道(群馬県道26号高崎安中渋川線)は上豊岡町交差点で国道18号線と合流し、しばらく供用区間(並行区間)となります。左側には碓井川が流れています。
国道18号線と合流したと思ったら、すぐに右の側道のような道路に入り、またすぐに国道18号線に戻ります。国道18号線の区間もこのように微妙な蛇行を繰り返しながら進んでいたと推定されますが、今は片側2車線+1車線の計5車線の広い道路に生まれ変わっています。
数百メートルほど歩くと、土手下の国道との間に「藤塚の一里塚」が残っています。江戸より28里、群馬県内で唯一現存する一里塚で、県指定の史跡となっています。現存している塚は左側だけで樹齢200年を超える榎木(エノキ)の古木が植わっています。
右側の一里塚は残っていませんが、石垣の上に小さな祠が建っているので、そこが右側の塚の跡なのかもしれません。浅間神社の案内表示が建っています。
藤塚の一里塚を過ぎ、国道18号線脇の歩道を進みます。道の右側になんとも好ましい形をした小さな神社(祠?) があります。さほど古いものではないようで、何が祀られているのかは不明です。
「だるまのふるさと大門屋」さんです。この日の昼食はこの大門屋さんの裏の駐車場に停車している観光バスの中で摂ることになっています。
高崎と言えば、高崎駅名物の駅弁「たかべん(高崎弁当株式会社)の だるま弁当」です。この日の昼食は、その「だるま弁当」でした。赤いダルマの形をした容器を開けると、醤油味で炊いた香りの良い御飯の上に山菜きのこ煮、穂先竹の子煮、椎茸煮、コールドチキン、鶏八幡巻、花豆煮、黒こんにゃく、赤こんにゃく、栗、山くらげ、小ナス漬け、山ごぼう…と群馬県の特色を活かした食材が載っています。素朴な味わいがなんとも嬉しい人気駅弁です。
この日は天気が良かったので、多くの人が観光バスの中ではなく、駐車場の周囲を取り囲む低い石垣に腰を下ろして「だるま弁当」をいただきました。もちろん、私もその1人です。外でいただく「だるま弁当」、遠足気分で気持ちいいです。
……(その4)に続きます。
しばらく進むと、ひときわ目立つ赤い鳥居が立っています。若宮八幡宮の鳥居です。この若宮八幡宮は永承6年(1051年)、「前九年の役」の際に源頼義・義家父子が戦勝祈願のために建立したと伝わっています。明治期には日露戦争の旅順での203高地の戦いで有名な乃木希典陸軍大将も参拝したという由緒ある神社です。古い歴史をもつ境内には、榎木や椋の木、欅など何本もの巨樹が聳えています。
この榎木(エノキ)の古木の上部には、でっかいサルノコシカケ(キノコ)が数個ついています。
下豊岡町から中豊岡町に入りました。どことなく旧街道の面影が残っています。
街道沿いに「赤き姿に丸き心 高崎だるま」と書かれた何本もの幟が立てられています。高崎は全国の約8割を占める“だるま”の生産地で、お馴染みの丸く赤い“縁起だるま”は眉が鶴、髭が亀と松を表す縁起の良い伝統工芸品です。近郊の達磨寺が発祥の地で、毎年1月6日、7日には高崎だるま市が盛大に開かれます。この通りには数軒、高崎名物、“縁起だるま”の製造工場があり、店先には目の描かれていない真っ赤な“だるま”が並んでいます。
中豊岡町から上豊岡町へ。僅かながら旧中山道の雰囲気を残す街道を少し行くと門構えの立派な大きな建物があります。飯野家の茶屋本陣(上豊岡茶屋本陣)です。この上豊岡茶屋本陣は高崎宿と板鼻宿の間に設けられた休憩施設で、日光例幣使の公家や、徳川家に降嫁する皇女和宮、参勤途中の大名達が立ち寄って休憩したところです。
代々飯野家が所有してきた建物は、平成9年まで飯野家個人の住居として使われてきました。飯野家では、居住のために内部の改装を行ってきたのですが、皇女和宮も小休止され、大名などの休息部屋であった書院造りの「上段の間」と「次の間」だけは江戸時代のまま手を加えていないのだそうです。公開されているので建物の中に入ってみました。さすがに皇女和宮も小休止されたお部屋、見事な造りです。また、庭園も見事です。
この上豊岡茶屋本陣の前で、高崎の観光ボランティアガイドさんの説明を受けました。その説明を聴いた後、街道歩きの再開です。
この上豊岡茶屋本陣の先で旧中山道(群馬県道26号高崎安中渋川線)は国道18号線と合流するのですが、その手前に一目で養蚕をやっていたとわかる大きな家が建っています。屋根に小屋根が乗っていて、そこの窓の開け閉めで蚕を育てる室内の温度を調節していました。
旧中山道(群馬県道26号高崎安中渋川線)は上豊岡町交差点で国道18号線と合流し、しばらく供用区間(並行区間)となります。左側には碓井川が流れています。
国道18号線と合流したと思ったら、すぐに右の側道のような道路に入り、またすぐに国道18号線に戻ります。国道18号線の区間もこのように微妙な蛇行を繰り返しながら進んでいたと推定されますが、今は片側2車線+1車線の計5車線の広い道路に生まれ変わっています。
数百メートルほど歩くと、土手下の国道との間に「藤塚の一里塚」が残っています。江戸より28里、群馬県内で唯一現存する一里塚で、県指定の史跡となっています。現存している塚は左側だけで樹齢200年を超える榎木(エノキ)の古木が植わっています。
右側の一里塚は残っていませんが、石垣の上に小さな祠が建っているので、そこが右側の塚の跡なのかもしれません。浅間神社の案内表示が建っています。
藤塚の一里塚を過ぎ、国道18号線脇の歩道を進みます。道の右側になんとも好ましい形をした小さな神社(祠?) があります。さほど古いものではないようで、何が祀られているのかは不明です。
「だるまのふるさと大門屋」さんです。この日の昼食はこの大門屋さんの裏の駐車場に停車している観光バスの中で摂ることになっています。
高崎と言えば、高崎駅名物の駅弁「たかべん(高崎弁当株式会社)の だるま弁当」です。この日の昼食は、その「だるま弁当」でした。赤いダルマの形をした容器を開けると、醤油味で炊いた香りの良い御飯の上に山菜きのこ煮、穂先竹の子煮、椎茸煮、コールドチキン、鶏八幡巻、花豆煮、黒こんにゃく、赤こんにゃく、栗、山くらげ、小ナス漬け、山ごぼう…と群馬県の特色を活かした食材が載っています。素朴な味わいがなんとも嬉しい人気駅弁です。
この日は天気が良かったので、多くの人が観光バスの中ではなく、駐車場の周囲を取り囲む低い石垣に腰を下ろして「だるま弁当」をいただきました。もちろん、私もその1人です。外でいただく「だるま弁当」、遠足気分で気持ちいいです。
……(その4)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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