2014/05/26
燃えさかれ志事人!
株式会社ハレックス代表取締役社長の越智です。
新たなブログのスタートに何を書こうか散々迷いました。
これまでもブログは社内イントラネット上に社内限定で執筆してきたのですが、
これが社外向けとなると一気にハードルが上がります(^^;
それでは、まず最初に、このブログのトップページを飾る『燃えさかれ志事人!』というテーマ、この中にある『志事』という文字について書きたいと思います。
誇り高き日本の先人によって育まれ、今もなお色褪せず、我々現代人に示唆を与え続けてくれている「武士道」。
振り返ってみれば、日本の歴史の節目には、必ずと言って良いほどそうした武士道の実践者のような方が関わってきたように思えます。
武士道は、戦時中、多くの人間を死に駆り立てた思想として、嫌悪感を示される方もきっといらっしゃるかもしれません。
また、多くの若者にとっては、古めかしいだけの過去の遺物に過ぎないと思われている方も多いことでしょう。
ですが、武士道が存在していなければ、日本の歴史は現在と違ったものになっていたはずですし、我々日本人の精神性を探るためには、この武士道という精神を避けては通ることは出来ません。
皆さんは「武士道」という言葉に対してどのようなイメージを抱かれるでしょうか?
武士道の実践者としては、戦国乱世の合戦において、卓越した知謀で自軍を勝利に導いた勇猛な武将。
君主の無念を晴らすために苦難に耐え、ついに悲願を果たした忠義の士。
幕末動乱期に日本の将来を憂い、己を捨てて戦った志士。愛する家族を守るため、自らの意思で敵陣に飛び込んだ神風特攻隊の英霊……。実に様々だと思います。
武士道とは、本質的に戦闘者である武士たちが、その存在の理想型を求めて練り上げてきた道徳の総称であり、決して一つに確立された思想体系ではありません。
そのため、時代や地域によって内容に大きな差異があり、この言葉が指し示す思想の実態は、ひどく曖昧なものになってしまっていると私は解釈しています。
また、小説やドラマ等、メディアの影響も大きいため、人によってイメージが違っているのも珍しいことではありません。
現代において、影響力のある武士道論の筆頭を揚げるとするならば、やはり新渡戸稲造氏の著作『武士道』となるでしょう。
現代人が「武士道精神」を論じるとき、この書の内容を思い浮かべることが多いように感じます。
また、「武士道は死狂い也」という一節で有名な『葉隠』も、よく知られています。
全編が過激な人生観で貫かれており、解釈を誤ると非常に危険な思想なのですが、綺麗事だけでは済まされない武士の覚悟というものについて、よく記されてると思っています。
他にも、武士道を伝える書物や理論は多くありますが、いずれもが人間の本質に鋭く迫っており、我々日本人の誇りとなり得る先人の遺産です。
繰り返しになりますが、武士道は時代によって変化します。
合戦や略奪行為が常だった戦国乱世の武士道と、平和で儒教的思想が重んじられた江戸時代の武士道とでは、表現や主張に驚くほど差があります。
ですが、その根底に流れるものは、
「自己を律するを第一義とし、信じた価値を守るために戦い抜く」
という根本思想です。
先日、時代劇大好きの娘が映画『ラストサムライ』のDVDを借りてきたので、一緒に観ました。
主演はご存知トム・クルーズさん、そしてアカデミー助演男優賞にノミネートされた(残念ながら受賞にはいたらなかった)渡辺謙さん。
この映画はハリウッド映画でありながら、日本を舞台に日本人と武士道を偏見なく描こうとした意欲作であるという点で私は高く評価しています。
少なくとも外国人主導で作られたこれまでの海外映画に多々見受けられるような、日本人に対する偏見や誤認識や無知とは一線を画す作品であることは間違いないことです。
いっぽうで、この作品は、日本の明治維新を舞台に、武士道を描く事により、最近の実用主義や利己主義の拡大へのアンチテーゼを描いた作品であるのではないかと受け取ることもできます。
トム・クルーズさん演じるオールグレンが、渡辺謙さん演じる勝元の「お前は名誉を取り戻した」という最期の言葉に救われるシーンは、現代社会への痛烈なメッセージであるとも受け取れます。
私は、“しごと”にはそれを行う人に応じて4つの種類があると思っています。
まず一つ目は「止事」と書く“しごと”。
やらなくてはいけないことは山ほどある筈なのに、なぜか自分は止ったままで動こうとしない人。
そのくせ、うまくいかないことをすぐに他人のせいにしたり、外に責任を転嫁するようなタイプ。
(書くのも省きますが、「死事」という最悪の“しごと”もあります。それはほかの人の“しごと”の邪魔をしたり、勝手で無責任な批判などをして完全に止めちゃうことです。これなどは論外です!)
次は「仕事」。
これは一番多いケースで、文字通り誰かや何かに「仕える事」。依存心や依頼心が強く、従ってばかりで自立できないタイプ。
さらには「私事」。
自分の夢や利益のためだけに頑張る人のこと。
最後は「志事」。
“しごと”を通して人間性を高め、自分だけでなく出会った人達の人生に影響を及ぼしプラスの変化を与えることができる人。
「止事」、「仕事」、「私事」、「志事」、自分が今おこなっているのが、どんな“しごと”なのかを考えてみることが大切であると私は考えています。
私が知る限り、どんな企業でもトップに登り詰めているような方は、「私事」ではなく、
「志」や「使命感」を優先してきたような方達ばかりです。
「仕える事」の「仕事」ばかりしてきた人は決して多くの人間の上に立つトップには立てません。広がる想像力と創造力、視野の広さ、バイタリティー、プレゼン能力、メンタル面での豊かな感受性、自由な表現、誰からも愛される人間性、皆さん、多かれ少なかれ、そういうものを持ち合わせています。
企業で“しごと”をしていると、実に多くの人と出会い、そしてそういう人達の影響を受けます。また挫折も何度も何度も何度も経験します。
大きいものから小さいものまで。厳しい競争社会だから、なおのことです。
そういう経験からそうした人間性、感性は磨かれるものです。
「止事」や「仕事」人間は決してトップにはなれません。
(そういう人のほうが圧倒的多数ですから、企業人のイメージがこちらになっちゃうのは仕方ないことですが)。
また、「私事」人間はトップにはなりえたとしても、そこで成功することはまずありえません。
たいていはその企業内で不祥事が起きたり、くだらないスキャンダルを起こしたりで、やがて消えていきます。
(かつてテレビの画面や新聞の紙面をやたら賑わしたのに、今やすっかり姿を消してしまっている人って、そういう人が圧倒的に多いですよね。)
成功したトップ企業人という方々は、本当に“志”を持ち、人間性が磨かれた方が多いです。
私なんぞ、まだまだ未熟者です。ですが、私は『しごと』は「志事」でありたいと常に思っています。
そして、“志し”とはサムライ(武士)の心と書きます。
そして武士道とは『信じた価値を守るために戦い抜く』こととあります。
ここで重要なキーワードが“価値”です。
気象に関わる私達民間気象情報会社の“しごと”の“価値”っていったいなんだろう?
私の“しごと”は、日々、そのことを問い直すことにある!…と思っています。
初回と言うことで、かなり肩に力を入れて書いちゃいましたが、これからは硬軟いろいろと取り混ぜながら書いていきたいと思っております。
よろしくお付き合いくださいませ。
【追記】
私の家内は鹿児島県の大隅半島の出身です。妻に届く年賀状の差出人欄を見ると、「鹿児島県志布志市志布志町志布志〇丁目」なぁ~んて“志”という文字がこれでもか!ってくらい幾つも並ぶ地名があったりして、思わず姿勢をピシッと正してしまいそうになります(笑)
新たなブログのスタートに何を書こうか散々迷いました。
これまでもブログは社内イントラネット上に社内限定で執筆してきたのですが、
これが社外向けとなると一気にハードルが上がります(^^;
それでは、まず最初に、このブログのトップページを飾る『燃えさかれ志事人!』というテーマ、この中にある『志事』という文字について書きたいと思います。
誇り高き日本の先人によって育まれ、今もなお色褪せず、我々現代人に示唆を与え続けてくれている「武士道」。
振り返ってみれば、日本の歴史の節目には、必ずと言って良いほどそうした武士道の実践者のような方が関わってきたように思えます。
武士道は、戦時中、多くの人間を死に駆り立てた思想として、嫌悪感を示される方もきっといらっしゃるかもしれません。
また、多くの若者にとっては、古めかしいだけの過去の遺物に過ぎないと思われている方も多いことでしょう。
ですが、武士道が存在していなければ、日本の歴史は現在と違ったものになっていたはずですし、我々日本人の精神性を探るためには、この武士道という精神を避けては通ることは出来ません。
皆さんは「武士道」という言葉に対してどのようなイメージを抱かれるでしょうか?
武士道の実践者としては、戦国乱世の合戦において、卓越した知謀で自軍を勝利に導いた勇猛な武将。
君主の無念を晴らすために苦難に耐え、ついに悲願を果たした忠義の士。
幕末動乱期に日本の将来を憂い、己を捨てて戦った志士。愛する家族を守るため、自らの意思で敵陣に飛び込んだ神風特攻隊の英霊……。実に様々だと思います。
武士道とは、本質的に戦闘者である武士たちが、その存在の理想型を求めて練り上げてきた道徳の総称であり、決して一つに確立された思想体系ではありません。
そのため、時代や地域によって内容に大きな差異があり、この言葉が指し示す思想の実態は、ひどく曖昧なものになってしまっていると私は解釈しています。
また、小説やドラマ等、メディアの影響も大きいため、人によってイメージが違っているのも珍しいことではありません。
現代において、影響力のある武士道論の筆頭を揚げるとするならば、やはり新渡戸稲造氏の著作『武士道』となるでしょう。
現代人が「武士道精神」を論じるとき、この書の内容を思い浮かべることが多いように感じます。
また、「武士道は死狂い也」という一節で有名な『葉隠』も、よく知られています。
全編が過激な人生観で貫かれており、解釈を誤ると非常に危険な思想なのですが、綺麗事だけでは済まされない武士の覚悟というものについて、よく記されてると思っています。
他にも、武士道を伝える書物や理論は多くありますが、いずれもが人間の本質に鋭く迫っており、我々日本人の誇りとなり得る先人の遺産です。
繰り返しになりますが、武士道は時代によって変化します。
合戦や略奪行為が常だった戦国乱世の武士道と、平和で儒教的思想が重んじられた江戸時代の武士道とでは、表現や主張に驚くほど差があります。
ですが、その根底に流れるものは、
「自己を律するを第一義とし、信じた価値を守るために戦い抜く」
という根本思想です。
先日、時代劇大好きの娘が映画『ラストサムライ』のDVDを借りてきたので、一緒に観ました。
主演はご存知トム・クルーズさん、そしてアカデミー助演男優賞にノミネートされた(残念ながら受賞にはいたらなかった)渡辺謙さん。
この映画はハリウッド映画でありながら、日本を舞台に日本人と武士道を偏見なく描こうとした意欲作であるという点で私は高く評価しています。
少なくとも外国人主導で作られたこれまでの海外映画に多々見受けられるような、日本人に対する偏見や誤認識や無知とは一線を画す作品であることは間違いないことです。
いっぽうで、この作品は、日本の明治維新を舞台に、武士道を描く事により、最近の実用主義や利己主義の拡大へのアンチテーゼを描いた作品であるのではないかと受け取ることもできます。
トム・クルーズさん演じるオールグレンが、渡辺謙さん演じる勝元の「お前は名誉を取り戻した」という最期の言葉に救われるシーンは、現代社会への痛烈なメッセージであるとも受け取れます。
私は、“しごと”にはそれを行う人に応じて4つの種類があると思っています。
まず一つ目は「止事」と書く“しごと”。
やらなくてはいけないことは山ほどある筈なのに、なぜか自分は止ったままで動こうとしない人。
そのくせ、うまくいかないことをすぐに他人のせいにしたり、外に責任を転嫁するようなタイプ。
(書くのも省きますが、「死事」という最悪の“しごと”もあります。それはほかの人の“しごと”の邪魔をしたり、勝手で無責任な批判などをして完全に止めちゃうことです。これなどは論外です!)
次は「仕事」。
これは一番多いケースで、文字通り誰かや何かに「仕える事」。依存心や依頼心が強く、従ってばかりで自立できないタイプ。
さらには「私事」。
自分の夢や利益のためだけに頑張る人のこと。
最後は「志事」。
“しごと”を通して人間性を高め、自分だけでなく出会った人達の人生に影響を及ぼしプラスの変化を与えることができる人。
「止事」、「仕事」、「私事」、「志事」、自分が今おこなっているのが、どんな“しごと”なのかを考えてみることが大切であると私は考えています。
私が知る限り、どんな企業でもトップに登り詰めているような方は、「私事」ではなく、
「志」や「使命感」を優先してきたような方達ばかりです。
「仕える事」の「仕事」ばかりしてきた人は決して多くの人間の上に立つトップには立てません。広がる想像力と創造力、視野の広さ、バイタリティー、プレゼン能力、メンタル面での豊かな感受性、自由な表現、誰からも愛される人間性、皆さん、多かれ少なかれ、そういうものを持ち合わせています。
企業で“しごと”をしていると、実に多くの人と出会い、そしてそういう人達の影響を受けます。また挫折も何度も何度も何度も経験します。
大きいものから小さいものまで。厳しい競争社会だから、なおのことです。
そういう経験からそうした人間性、感性は磨かれるものです。
「止事」や「仕事」人間は決してトップにはなれません。
(そういう人のほうが圧倒的多数ですから、企業人のイメージがこちらになっちゃうのは仕方ないことですが)。
また、「私事」人間はトップにはなりえたとしても、そこで成功することはまずありえません。
たいていはその企業内で不祥事が起きたり、くだらないスキャンダルを起こしたりで、やがて消えていきます。
(かつてテレビの画面や新聞の紙面をやたら賑わしたのに、今やすっかり姿を消してしまっている人って、そういう人が圧倒的に多いですよね。)
成功したトップ企業人という方々は、本当に“志”を持ち、人間性が磨かれた方が多いです。
私なんぞ、まだまだ未熟者です。ですが、私は『しごと』は「志事」でありたいと常に思っています。
そして、“志し”とはサムライ(武士)の心と書きます。
そして武士道とは『信じた価値を守るために戦い抜く』こととあります。
ここで重要なキーワードが“価値”です。
気象に関わる私達民間気象情報会社の“しごと”の“価値”っていったいなんだろう?
私の“しごと”は、日々、そのことを問い直すことにある!…と思っています。
初回と言うことで、かなり肩に力を入れて書いちゃいましたが、これからは硬軟いろいろと取り混ぜながら書いていきたいと思っております。
よろしくお付き合いくださいませ。
【追記】
私の家内は鹿児島県の大隅半島の出身です。妻に届く年賀状の差出人欄を見ると、「鹿児島県志布志市志布志町志布志〇丁目」なぁ~んて“志”という文字がこれでもか!ってくらい幾つも並ぶ地名があったりして、思わず姿勢をピシッと正してしまいそうになります(笑)
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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