2014/09/22
八田與一さんのこと
皆さん、八田與一さんって方をご存知ですか? 台湾で一番有名な日本人なんだそうですが、実は私も知りませんでした。かつて台湾に出張した折、台湾の方と食事をしていて、この八田與一さんの話題が出て、私は「存じ上げない」って答えると、「えっ!? 日本人なのに八田與一さんのことを知らないのか!?」と言って大変驚かれ、反対 にいろいろと教えていただきました。
「台湾で一番有名な日本人」と言われる方を知らなかったので、本当に恥ずかしい思いをしちゃいました。
八田與一さんは石川県金沢市出身で、大正期から昭和初期にかけて活躍した水利技術者。日本統治時代の台湾で、農業水利事業に非常に大きな貢献をした人らしいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E7%94%B0%E4%B8%8E%E4%B8%80 (ウィキペディア)
一番大きな功績は、烏山頭ダムという巨大ダムと総延長16,000kmにわたる水路を建設し、台湾南部の灌漑設備を整えたことで、このダムと水路の建設により台湾南部の嘉南平野を台湾の一大穀倉地帯に生まれ変わらせたということのようです。また、台湾の各都市の上下水道の整備も八田與一さんが手掛けられたものらしく、台湾におけるその功績はその他にも多岐に渡るそうです。
八田與一さん自身は、残念ながら、太平洋戦争中、調査のためフィリピンに向かう途中、乗っていた輸送船がアメリカ軍の潜水艦に撃沈されて殉職。奥様も後を追うように烏山頭ダムに身を投げて自殺なさったそうなんです。
日本よりも、彼が実際に業績を挙げた台湾での知名度のほうが高く、今でも台湾では中学生向けの教科書に八田與一さんの業績は詳しく紹介されているそうです。
特に高齢者を中心に八田與一さんの業績を評価する人は多く、烏山頭ダムで命日の5月8日に行われる慰霊祭には、馬英九総統も出席なさるほどなんだとか。また、農業経済学者でもある李登輝台湾元総統は、八田與一さんの業績を最も高く評価している方の一人で、日本訪問時には八田與一さんの故郷・金沢を訪問して墓参りをなさるほどだそうです。
台湾は親日的と言われていますが、こうした技術者が立派な仕事を残しているから……と言うことを決して忘れてはいけませんね。これも1つの「日本人の知らない中国」、「日本人の知らない世界」と言えます。歴史を学ぶってことは極めて重要ですね。
八田與一さんのこと、今後、台湾に行かれる方がいらっしゃいましたら、覚えておかれると絶対にいいと思います。なにかの時、私のように恥ずかしい思いをしなくて済みますから。
【追記1】
技術者は本能として後世に何かを残そうとする生き物です。何かを残すからこそ、この八田與一さんのように、それが後々の世までも人々に讃えられ、平和に結び付くこともあります。世界平和のためにも日本の優れた技術を世界に広めていくことは極めて重要なことだと、私は思っています。
これまで、何度もこのブログで書いてきましたが、日本列島は気象的にはモンスーン帯の北限に位置するし、大陸のシベリア高気圧と太平洋高気圧の影響で、北からの寒気と南からの暖気が列島付近の上空でぶつかりあうことから、気温、降雨が激しく変化をし続けるところに位置しています。おまけに偏西風の関係から台風の進路にあたり、毎年のように大型の台風が接近・上陸してきます。また、日本列島付近では地球の表面を覆う大きな大陸プレートが幾つも境界面を接しています。このため世界で発生する大地震の約20%はこの日本列島付近で発生し、活火山の10%が日本列島とその周辺に位置しています。地形的にも周囲をすべて山に囲まれた南北に細長い島国で、その陸地の約7割は山岳地帯という極めて特殊な地形をしています。
そのため、毎年のように地震、台風、大雨…様々な自然の脅威の来襲に遭っていて、世界的にも有数の“災害大国”であると言えます。そういう気象的、地形的なハンディキャップの中にあっても、世界の先進諸国の仲間入りをしているということで、特に詳しい説明などしなくても世界中の方々は、日本の防災技術、気象技術に関しては世界一という評価をしてくださっています。
我々、民間気象情報会社も八田與一さんのように、日本の優れた技術を世界に広めていくことにも注力していかないといけないと思っています。
【追記2】
本文でも書かせていただいた台湾の李登輝元総統(御年91歳)が今日9月19日に来日され、25日まで滞在されるというニュースを目にしました。李登輝元総統の来日は2009年9月以来、5年ぶりのことだとのことです。大阪、東京、北海道を訪問されるとのことですが、今回の来日でも八田與一さんの故郷・金沢を訪問して、墓参りをなさるのでしょうか…。
「台湾で一番有名な日本人」と言われる方を知らなかったので、本当に恥ずかしい思いをしちゃいました。
八田與一さんは石川県金沢市出身で、大正期から昭和初期にかけて活躍した水利技術者。日本統治時代の台湾で、農業水利事業に非常に大きな貢献をした人らしいです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E7%94%B0%E4%B8%8E%E4%B8%80 (ウィキペディア)
一番大きな功績は、烏山頭ダムという巨大ダムと総延長16,000kmにわたる水路を建設し、台湾南部の灌漑設備を整えたことで、このダムと水路の建設により台湾南部の嘉南平野を台湾の一大穀倉地帯に生まれ変わらせたということのようです。また、台湾の各都市の上下水道の整備も八田與一さんが手掛けられたものらしく、台湾におけるその功績はその他にも多岐に渡るそうです。
八田與一さん自身は、残念ながら、太平洋戦争中、調査のためフィリピンに向かう途中、乗っていた輸送船がアメリカ軍の潜水艦に撃沈されて殉職。奥様も後を追うように烏山頭ダムに身を投げて自殺なさったそうなんです。
日本よりも、彼が実際に業績を挙げた台湾での知名度のほうが高く、今でも台湾では中学生向けの教科書に八田與一さんの業績は詳しく紹介されているそうです。
特に高齢者を中心に八田與一さんの業績を評価する人は多く、烏山頭ダムで命日の5月8日に行われる慰霊祭には、馬英九総統も出席なさるほどなんだとか。また、農業経済学者でもある李登輝台湾元総統は、八田與一さんの業績を最も高く評価している方の一人で、日本訪問時には八田與一さんの故郷・金沢を訪問して墓参りをなさるほどだそうです。
台湾は親日的と言われていますが、こうした技術者が立派な仕事を残しているから……と言うことを決して忘れてはいけませんね。これも1つの「日本人の知らない中国」、「日本人の知らない世界」と言えます。歴史を学ぶってことは極めて重要ですね。
八田與一さんのこと、今後、台湾に行かれる方がいらっしゃいましたら、覚えておかれると絶対にいいと思います。なにかの時、私のように恥ずかしい思いをしなくて済みますから。
【追記1】
技術者は本能として後世に何かを残そうとする生き物です。何かを残すからこそ、この八田與一さんのように、それが後々の世までも人々に讃えられ、平和に結び付くこともあります。世界平和のためにも日本の優れた技術を世界に広めていくことは極めて重要なことだと、私は思っています。
これまで、何度もこのブログで書いてきましたが、日本列島は気象的にはモンスーン帯の北限に位置するし、大陸のシベリア高気圧と太平洋高気圧の影響で、北からの寒気と南からの暖気が列島付近の上空でぶつかりあうことから、気温、降雨が激しく変化をし続けるところに位置しています。おまけに偏西風の関係から台風の進路にあたり、毎年のように大型の台風が接近・上陸してきます。また、日本列島付近では地球の表面を覆う大きな大陸プレートが幾つも境界面を接しています。このため世界で発生する大地震の約20%はこの日本列島付近で発生し、活火山の10%が日本列島とその周辺に位置しています。地形的にも周囲をすべて山に囲まれた南北に細長い島国で、その陸地の約7割は山岳地帯という極めて特殊な地形をしています。
そのため、毎年のように地震、台風、大雨…様々な自然の脅威の来襲に遭っていて、世界的にも有数の“災害大国”であると言えます。そういう気象的、地形的なハンディキャップの中にあっても、世界の先進諸国の仲間入りをしているということで、特に詳しい説明などしなくても世界中の方々は、日本の防災技術、気象技術に関しては世界一という評価をしてくださっています。
我々、民間気象情報会社も八田與一さんのように、日本の優れた技術を世界に広めていくことにも注力していかないといけないと思っています。
【追記2】
本文でも書かせていただいた台湾の李登輝元総統(御年91歳)が今日9月19日に来日され、25日まで滞在されるというニュースを目にしました。李登輝元総統の来日は2009年9月以来、5年ぶりのことだとのことです。大阪、東京、北海道を訪問されるとのことですが、今回の来日でも八田與一さんの故郷・金沢を訪問して、墓参りをなさるのでしょうか…。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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