2015/10/19
北のカナリアたちに逢いに最北限の島へ(その10)
スコトン岬でお土産の昆布を大量に購入し、続いては、近くにあるもう1つの観光スポットである澄海岬(スカイ岬)に向かいました。
この澄海岬は、礼文島の西北部にある岬です。名前の通り、澄んだ海の色が特徴的な入り江があり、礼文島の象徴として観光ポスターなどでもよく使われている観光名所です。映画『北のカナリアたち』でもここでロケが行われ、その美しい光景は「日本にこんなところがあったのか」と、息を飲むほどでした。実際に来てみると、映画のスクリーンで観た以上に感動しちゃいました。
この入り江の海水はとても透明度が高く、岬近くでは海底までみえます。特にこの日は天気がよかったので、海は南国の海のように鮮やかで神秘的な美しいブルーを見せていました。この風景には、とにかく感動しました。また、この澄海岬の風景を見て、あぁ、あの映画『北のカナリアたち』の舞台にやって来たんだなぁ~…ってことを実感しちゃいました。青柳社員が是非行ってみて欲しい…と薦めてくれただけのことはあります。ツリガネニンジンと思われる高山植物も咲いていて、妻も大満足していました。
澄海岬の駐車場の前にある売店では軽い食事もできます。ちょうどお昼になろうかという時間だったので、「焼きツブ貝」や「焼きタコ」、「ジャガ餅」の文字に釣られて売店に入り、それらを食してみました。ちなみに「ジャガ餅」とはジャガイモでできた餅のことです。さすがに海の幸に恵まれた礼文島、どれを食べてもとても美味しかったです。
14時10分には内路の礼文岳登山口に戻って、下山してくる山の会の連中をピックアップしないといけないので、そろそろ澄海岬を後にして、戻ることにしました。しかし、まだ1時間ちょっと時間はあります。ここまで来る途中(と言うか、香深港から内路までの途中)に「ウニ剥き体験」の幟がかかっている建物があったのを思い出し、そこを目指すことにしました。澄海岬でツブ貝や焼きタコを食べたことで海鮮好きの導火線に火が点いてしまい、こりゃあウニの殻を自ら剥いて、一番新鮮な身を食してみたいと思ってしまいましたからねぇ~。
利尻島の現役漁師も絶賛する礼文島の昆布。その昆布をいっぱい食べて育ったウニは、さぞや美味しいに違いありません。その獲れたばかりのウニを自分で殻を剥いて食べられるわけですから、美味しくないわけがありません。
礼文岳登山口のある内路を少し香深港に向けて通り過ぎたあたりにその建物があります。入り口に「船泊漁業協同組合施設 うにむき体験センター」の看板がかかっています。どうも、現役の漁師さん達が直接運営にあたっている施設のようです。建物の中に入ると、礼文島で水揚げされる活魚が生きたまま水槽の中で泳いでいて、まるで水族館のようです。
ウニ剥き体験は1個500円。1個じゃあ物足りないと、私も妻も2個ずつ頼んでウニ剥きを開始しました。初めてのことなので、スタッフの方が親切丁寧にウニの剥き方を指導してくれます。水槽の中から好きなウニを選んで網ですくってください…なんて言われても、どのウニが美味しい(かつ、実がギッシリとつまっている)かなんて素人には分かりません。美味しそうなのを選んでよ…とお願いしてウニ剥き開始です。
ウニ剥きは難しいのかな…なんて思っていると、これがいとも簡単でした。専用に開発された“殻むき器”があって、この“殻むき器”をウニの正面に真っ直ぐ刺し込んで、柄のところをトントンと数回叩くと、ウニがパカッと開いて、簡単に殻が割れます。割れた殻の中から小さなスプーンを使って、中の身を丁寧に掻き出します。この時、ウニを素手で手に持つのですが、殻の表面に無数に飛び出しているトゲトゲが触ると痛いのかな…と思っていたのですが、全然そんなことはなかったですね。
次に、目の前の流しに溜めた海水にそっと浸して、殻の周りを綺麗に取り分けます。内臓や中に残っている餌の昆布を取って、ウニの身だけを小さなスプーンですくい取ります。すくった身は再び海水で洗い、剥いたウニをもう一度、海水に浸します。このように手間をかけてはじめて、煌びやかなオレンジ色のおいしい生ウニをいただくことができます。
中身を完全に取り出されても、ウニの殻についたトゲトゲは微妙に動いています。それだけ新鮮だということです。その新鮮なウニをそのまま口に入れました。これ以上ない新鮮なウニは、甘くお口の中でとろけます。あまりの美味しさに思わず笑顔になります。ここまで美味しいウニは、正直、私はこれまで食べたことはなかったですね。新鮮ですし、自分で手間ひまをかけて食べるからこその格別な味です! ムラサキウニでこれほど美味しいのですから、名物のバフンウニならいったいどんな美味しさなんだろう…と思ってしまいます。ちなみに、ウニ剥きが体験できるのは、利尻島・礼文島ではこの船泊漁業協同組合直営のウニ剥き体験センターだけだそうです。
ウニがあまりに美味しかったので、ウニに続いてボタンエビの踊り食いもいただくことにしました。このボタンエビ、ウニと同じく礼文島の周囲で獲れたもので、こちらは1匹1,000円。水槽の中から大きめのエビを選び、こちらはスタッフの方に殻を剥いて貰っていただきます。昆布醤油をちょこっと付けて口に入れたのですが、これが甘い! 私も妻も甲殻類が大好きなので、これには大満足。最後は残らず全部食べないとエビさんも成仏できないというスタッフさんの言葉に頭を含む殻の部分を大胆にもガスバーナーで焼いて、いただきました。これも香ばしくて、美味しかったです。さすがにプロの漁師さんは、どうすれば美味しく食べられるかを熟知なさっています。
このウニ剥き体験センターは船泊漁業協同組合の直営施設ですから、隣接する売店では、礼文島で獲れた美味しい海産物を他の店より比較的安価で購入できるので、今回の旅行のお土産はこのウニ剥き体験センターの売店で主に購入することにしました(昆布だけはスコトン岬の北限の売店で買っちゃいましたが…)。生ウニも後日クール宅配便で送って貰うように手配して(ウニが大好きな娘がうるさいもので…)、ウニ剥き体験センターを後にしました。私達と入れ違いに観光バスが3台連ねて到着し、大勢の観光客が来店しました。それまで私達夫婦だけで静かだった施設が一気に賑やかになってきました。
それにしても、漁業協同組合がウニ剥き体験センターや海産物の販売店を直営しているのですね。間に仲買業者等を介さないこのほうが、消費者には安く購入ができるし、漁業者だって確実に現金収入が手に入ります。この北限の島でも、人々は様々な工夫をして、生活を守ろうとしているのだな…と、感動を覚えました。揃いのスタッフジャンパーを着たウニ剥き体験センターのスタッフの方は、ちょっと垢抜けたところもあり、とても毎日漁に出ている人のようには思えませんでしたが、訊くと、現役の漁師で、今朝もウニを獲りに沖に出ていた…という返事が返ってきました。これからも頑張って就労者が激減しつつある第一次産業を守り続けてほしいものです。
時計を見るとそろそろ14時になろうとしています。14時10分に内路の礼文岳登山口に山の会の連中を迎えにいかないといけませんので、ちょうどいい感じです。ほどなく登山口に到着。まだ山の会の連中は下山してきていません。が、登山口そばの自動販売機で缶コーヒーを買って飲んでいると、飲み終えないうちに耳慣れた声が聞こえてきました。14時10分ほぼぴったりに彼等は下山してきました。大満足と顔に描いているような笑顔でした。私達夫婦も大満足でしたよ(^^)d
すぐに彼等を2往復で香深港のフェリーターミナルまで搬送しました。途中、炭水化物の摂取がいささか不足していたので(ようは“小腹がすいた”ので)、主に北海道を地盤とする日本のコンビニチェーンであるセイコーマートの店舗に立ち寄り、焼きたてのクロワッサンとアップルパイを購入して食べたのですが、これが絶品。このまま首都圏に進出してきても売れるのではないか…と思っちゃいました。ちなみに、このセイコーマート、コンビニエンスストア業態の最初の店舗を開店したのが1971年のことで、日本国内ではあのセブン・イレブンよりも先駆けてのことなんだそうです。知らなんだ。住民が少ないため、首都圏等のコンビニとは異なり終日の営業はしておらず、朝の7時から夜の11時までの営業です。ですが、利尻島や礼文島のような離島でも幾つか店舗を見掛けました。ほかに開いてる店もなく、しっかりと地域の生活に根付いているように思えました。
第2陣を香深港フェリーターミナルまで連れて帰り、時計を見るとちょうど15時になったところです。利尻島鴛泊港行のフェリーは16時05分の出港なので、それまで1時間あります。ならばここは行くしかありません、『北のカナリアたち』に逢いに…。これがそもそもの目的で私は利尻島・礼文島と言う北限の島にまでやってきたわけですから。映画『北のカナリアたち』の舞台となった小学校(分校)のロケ現場は、今も『北のカナリアパーク』として保存されていて、香深港からはクルマで10分もかからない近いところにあります。15時半には戻ってくると言う約束で、妻を助手席に乗せてそこへ向かうことにしました。
この澄海岬は、礼文島の西北部にある岬です。名前の通り、澄んだ海の色が特徴的な入り江があり、礼文島の象徴として観光ポスターなどでもよく使われている観光名所です。映画『北のカナリアたち』でもここでロケが行われ、その美しい光景は「日本にこんなところがあったのか」と、息を飲むほどでした。実際に来てみると、映画のスクリーンで観た以上に感動しちゃいました。
この入り江の海水はとても透明度が高く、岬近くでは海底までみえます。特にこの日は天気がよかったので、海は南国の海のように鮮やかで神秘的な美しいブルーを見せていました。この風景には、とにかく感動しました。また、この澄海岬の風景を見て、あぁ、あの映画『北のカナリアたち』の舞台にやって来たんだなぁ~…ってことを実感しちゃいました。青柳社員が是非行ってみて欲しい…と薦めてくれただけのことはあります。ツリガネニンジンと思われる高山植物も咲いていて、妻も大満足していました。
澄海岬の駐車場の前にある売店では軽い食事もできます。ちょうどお昼になろうかという時間だったので、「焼きツブ貝」や「焼きタコ」、「ジャガ餅」の文字に釣られて売店に入り、それらを食してみました。ちなみに「ジャガ餅」とはジャガイモでできた餅のことです。さすがに海の幸に恵まれた礼文島、どれを食べてもとても美味しかったです。
14時10分には内路の礼文岳登山口に戻って、下山してくる山の会の連中をピックアップしないといけないので、そろそろ澄海岬を後にして、戻ることにしました。しかし、まだ1時間ちょっと時間はあります。ここまで来る途中(と言うか、香深港から内路までの途中)に「ウニ剥き体験」の幟がかかっている建物があったのを思い出し、そこを目指すことにしました。澄海岬でツブ貝や焼きタコを食べたことで海鮮好きの導火線に火が点いてしまい、こりゃあウニの殻を自ら剥いて、一番新鮮な身を食してみたいと思ってしまいましたからねぇ~。
利尻島の現役漁師も絶賛する礼文島の昆布。その昆布をいっぱい食べて育ったウニは、さぞや美味しいに違いありません。その獲れたばかりのウニを自分で殻を剥いて食べられるわけですから、美味しくないわけがありません。
礼文岳登山口のある内路を少し香深港に向けて通り過ぎたあたりにその建物があります。入り口に「船泊漁業協同組合施設 うにむき体験センター」の看板がかかっています。どうも、現役の漁師さん達が直接運営にあたっている施設のようです。建物の中に入ると、礼文島で水揚げされる活魚が生きたまま水槽の中で泳いでいて、まるで水族館のようです。
ウニ剥き体験は1個500円。1個じゃあ物足りないと、私も妻も2個ずつ頼んでウニ剥きを開始しました。初めてのことなので、スタッフの方が親切丁寧にウニの剥き方を指導してくれます。水槽の中から好きなウニを選んで網ですくってください…なんて言われても、どのウニが美味しい(かつ、実がギッシリとつまっている)かなんて素人には分かりません。美味しそうなのを選んでよ…とお願いしてウニ剥き開始です。
ウニ剥きは難しいのかな…なんて思っていると、これがいとも簡単でした。専用に開発された“殻むき器”があって、この“殻むき器”をウニの正面に真っ直ぐ刺し込んで、柄のところをトントンと数回叩くと、ウニがパカッと開いて、簡単に殻が割れます。割れた殻の中から小さなスプーンを使って、中の身を丁寧に掻き出します。この時、ウニを素手で手に持つのですが、殻の表面に無数に飛び出しているトゲトゲが触ると痛いのかな…と思っていたのですが、全然そんなことはなかったですね。
次に、目の前の流しに溜めた海水にそっと浸して、殻の周りを綺麗に取り分けます。内臓や中に残っている餌の昆布を取って、ウニの身だけを小さなスプーンですくい取ります。すくった身は再び海水で洗い、剥いたウニをもう一度、海水に浸します。このように手間をかけてはじめて、煌びやかなオレンジ色のおいしい生ウニをいただくことができます。
中身を完全に取り出されても、ウニの殻についたトゲトゲは微妙に動いています。それだけ新鮮だということです。その新鮮なウニをそのまま口に入れました。これ以上ない新鮮なウニは、甘くお口の中でとろけます。あまりの美味しさに思わず笑顔になります。ここまで美味しいウニは、正直、私はこれまで食べたことはなかったですね。新鮮ですし、自分で手間ひまをかけて食べるからこその格別な味です! ムラサキウニでこれほど美味しいのですから、名物のバフンウニならいったいどんな美味しさなんだろう…と思ってしまいます。ちなみに、ウニ剥きが体験できるのは、利尻島・礼文島ではこの船泊漁業協同組合直営のウニ剥き体験センターだけだそうです。
ウニがあまりに美味しかったので、ウニに続いてボタンエビの踊り食いもいただくことにしました。このボタンエビ、ウニと同じく礼文島の周囲で獲れたもので、こちらは1匹1,000円。水槽の中から大きめのエビを選び、こちらはスタッフの方に殻を剥いて貰っていただきます。昆布醤油をちょこっと付けて口に入れたのですが、これが甘い! 私も妻も甲殻類が大好きなので、これには大満足。最後は残らず全部食べないとエビさんも成仏できないというスタッフさんの言葉に頭を含む殻の部分を大胆にもガスバーナーで焼いて、いただきました。これも香ばしくて、美味しかったです。さすがにプロの漁師さんは、どうすれば美味しく食べられるかを熟知なさっています。
このウニ剥き体験センターは船泊漁業協同組合の直営施設ですから、隣接する売店では、礼文島で獲れた美味しい海産物を他の店より比較的安価で購入できるので、今回の旅行のお土産はこのウニ剥き体験センターの売店で主に購入することにしました(昆布だけはスコトン岬の北限の売店で買っちゃいましたが…)。生ウニも後日クール宅配便で送って貰うように手配して(ウニが大好きな娘がうるさいもので…)、ウニ剥き体験センターを後にしました。私達と入れ違いに観光バスが3台連ねて到着し、大勢の観光客が来店しました。それまで私達夫婦だけで静かだった施設が一気に賑やかになってきました。
それにしても、漁業協同組合がウニ剥き体験センターや海産物の販売店を直営しているのですね。間に仲買業者等を介さないこのほうが、消費者には安く購入ができるし、漁業者だって確実に現金収入が手に入ります。この北限の島でも、人々は様々な工夫をして、生活を守ろうとしているのだな…と、感動を覚えました。揃いのスタッフジャンパーを着たウニ剥き体験センターのスタッフの方は、ちょっと垢抜けたところもあり、とても毎日漁に出ている人のようには思えませんでしたが、訊くと、現役の漁師で、今朝もウニを獲りに沖に出ていた…という返事が返ってきました。これからも頑張って就労者が激減しつつある第一次産業を守り続けてほしいものです。
時計を見るとそろそろ14時になろうとしています。14時10分に内路の礼文岳登山口に山の会の連中を迎えにいかないといけませんので、ちょうどいい感じです。ほどなく登山口に到着。まだ山の会の連中は下山してきていません。が、登山口そばの自動販売機で缶コーヒーを買って飲んでいると、飲み終えないうちに耳慣れた声が聞こえてきました。14時10分ほぼぴったりに彼等は下山してきました。大満足と顔に描いているような笑顔でした。私達夫婦も大満足でしたよ(^^)d
すぐに彼等を2往復で香深港のフェリーターミナルまで搬送しました。途中、炭水化物の摂取がいささか不足していたので(ようは“小腹がすいた”ので)、主に北海道を地盤とする日本のコンビニチェーンであるセイコーマートの店舗に立ち寄り、焼きたてのクロワッサンとアップルパイを購入して食べたのですが、これが絶品。このまま首都圏に進出してきても売れるのではないか…と思っちゃいました。ちなみに、このセイコーマート、コンビニエンスストア業態の最初の店舗を開店したのが1971年のことで、日本国内ではあのセブン・イレブンよりも先駆けてのことなんだそうです。知らなんだ。住民が少ないため、首都圏等のコンビニとは異なり終日の営業はしておらず、朝の7時から夜の11時までの営業です。ですが、利尻島や礼文島のような離島でも幾つか店舗を見掛けました。ほかに開いてる店もなく、しっかりと地域の生活に根付いているように思えました。
第2陣を香深港フェリーターミナルまで連れて帰り、時計を見るとちょうど15時になったところです。利尻島鴛泊港行のフェリーは16時05分の出港なので、それまで1時間あります。ならばここは行くしかありません、『北のカナリアたち』に逢いに…。これがそもそもの目的で私は利尻島・礼文島と言う北限の島にまでやってきたわけですから。映画『北のカナリアたち』の舞台となった小学校(分校)のロケ現場は、今も『北のカナリアパーク』として保存されていて、香深港からはクルマで10分もかからない近いところにあります。15時半には戻ってくると言う約束で、妻を助手席に乗せてそこへ向かうことにしました。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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