2015/10/19
ルーティン
今、「史上最大の番狂わせ」と言えば、今は現在開催中のラグビーワールドカップ イングランド大会で9月19日(土)に行われた「日本VS南アフリカ戦」における日本代表の劇的な逆転勝利を連想する方々が多いのではないでしょうか。私もこの試合をテレビで観戦しましたが、結果は34対32。ラグビー素人の私でさえ、試合終了の瞬間は目が涙で潤んでくるほどの大きな感動を覚えてしまいました。
この劇的勝利の立役者の一人であるFB(フルバック)をポジションとする五郎丸 歩選手が今一般のメディアでも大注目されています。その理由は、ゴールライン中央部に立つH型のポールの間をキックでボールを通過させる「プレースキック」と呼ばれるプレーに入る前のあの両手を合わせて精神統一をしているような独特のポーズが、ラグビーファンでない私のような人達にとって「あれって、何してるの? 何のためにやっているの?」と反響を呼んでいるからではないでしょうか。
スポーツの世界では、「ルーティン(routine)」という言葉が頻繁に出てきます。辞典で知らべると、この「ルーティン(routine)」には「決まりきった手続や手順。または日常の仕事、日課、定型業務」という意味のことが載っています。この「ルーティン(routine)」、辞典の直訳からするといささかスポーツ界には似つかわしくない言葉かもしれませんが、プレーヤー自身に物凄く重圧がかかる場面でも、プレーに入る前に常に同じルーティンを行うことで、普段の練習に近い精神状態に戻るためには最も大切な動作なんだそうです。
たとえば、野球でも大リーガーのイチロー選手の打席に入って構えるまでの一連の動作は超有名ですし、体操の内村航平選手が跳馬に入る前に腕を上下に動かす動作、さらには、フィギアスケートの羽生結弦選手が演技に入る前に行う両手を合わせた後の十字を切るような動作などなど、このルーティンを重んじている一流のスポーツ選手は少なくないように思えます。
運動心理学では、スポーツの世界でこのルーティンが重んじられている理由は、選手自身がプレーに入る前に既に疑似成功体験をイメージするためだと言われています。言い換えれば、選手自身が実際のプレーを行う前に一定のルーティンを行うことにより、成功するイメージが脳の中で再現フィルムのように浮かんでくるのだいうことのようです。
ビジネスの世界でも、「ルーティン」は非常に重要だという話を聞いたことがあります。よく「有能な経営者は、作業や決断が早い」といわれます。これってなぜでしょうか。これは自分の業務をルーティン化することで、実際の作業に入る前にすでに業務の完了イメージができあがっているからではないでしょうか。大量で多岐にわたる業務に直面している時や、重圧のかかる商談前など精神状態が不安定となりがちな時ほど、その人独自のルーティンから入ることで、いつもの日常業務に取り組むのと同様の心理状態に近づけて、結果的に作業や決断が他に比べて早くできるのではないか…と思います(私は残念ながらまだまだそこまでの境地に到達できておりませんが…)。
しかしながら、このルーティンは一朝一夕で出来上がるようなものではなく、計り知れない膨大な時間と反復練習によって選手や経営者の身体に刷り込まれてゆくものなのだそうです。単に物真似のようにやっても、薄いメッキのように簡単に剥がれて落ちてしまうからこそ、一流のスポーツ選手や経営者は普段の生活サイクル自体もルーティン化しているのだということも聞きました。「継続は力なり」という言葉どおり、継続し続けることで、その人の「人間力」が向上していくものなんだなぁ~…と改めて感じています。
「史上最大の番狂わせ」の疲れが残っていたのか9月23日(水)のスコットランド戦は10対45の敗戦と言う残念な結果に終わってしまいましたが、次の10月3日(土)に行われた難敵サモア戦には26対5で勝利。日本代表は南アフリカ戦での「史上最大の番狂わせ」が、決して奇跡ではなかったことを証明してくれました。この試合でも五郎丸選手のあの両手を胸の前で合わせるルーティンの姿が何度も見られ、次々に楕円形をしたボールをゴールライン中央部に立つH型のポールの間に通していきました。日本の奪った26点のうち16点はこの五郎丸選手のキックによるものです。
さらに10月11日(日)に行われるアメリカとの1次リーグ最終戦。この試合の前に行われた南アフリカとスコットランドがともに勝利したため、ボーナスポイントの差で、たとえ勝利したとしても1次リーグを突破してベスト8に進出する可能性は完全に消滅していましたが、そういう中でも日本代表は頑張ってくれました。28対18で強豪のアメリカを破り、これで1大会で初の3勝を挙げてくれました。この試合でも五郎丸選手のあの両手を胸の前で合わせるルーティンの姿を何度も目にして、感動させていただきました。
ちなみに、1次リーグで3勝しての敗退はワールドカップ史上初めてのことらしいです。しかし、世界中のラグビーファンに日本のラグビー恐るべし!…と強く印象付けたことは間違いのないことです。残念ながら悲願のベスト8進出は次回以降に持ち越しになっちゃいましたが、次回(2019年)のラグビーワールドカップ開催国は日本です。次回に大いに期待したいと思っています。日本国内でもラグビーファンが一気に増えると、次回開催国として嬉しいことですね(^^)v
頑張れ、ラグビー日本代表!\(*⌒0⌒)b♪
【追記】
五郎丸歩選手や日本のラグビーについてもう少し知りたい方は、下記のサイトを覗いてみてください。
「五郎丸歩 公式ブログサイト 楕縁形生活」
「日本ラグビーフットボール協会 公式HP」
この劇的勝利の立役者の一人であるFB(フルバック)をポジションとする五郎丸 歩選手が今一般のメディアでも大注目されています。その理由は、ゴールライン中央部に立つH型のポールの間をキックでボールを通過させる「プレースキック」と呼ばれるプレーに入る前のあの両手を合わせて精神統一をしているような独特のポーズが、ラグビーファンでない私のような人達にとって「あれって、何してるの? 何のためにやっているの?」と反響を呼んでいるからではないでしょうか。
スポーツの世界では、「ルーティン(routine)」という言葉が頻繁に出てきます。辞典で知らべると、この「ルーティン(routine)」には「決まりきった手続や手順。または日常の仕事、日課、定型業務」という意味のことが載っています。この「ルーティン(routine)」、辞典の直訳からするといささかスポーツ界には似つかわしくない言葉かもしれませんが、プレーヤー自身に物凄く重圧がかかる場面でも、プレーに入る前に常に同じルーティンを行うことで、普段の練習に近い精神状態に戻るためには最も大切な動作なんだそうです。
たとえば、野球でも大リーガーのイチロー選手の打席に入って構えるまでの一連の動作は超有名ですし、体操の内村航平選手が跳馬に入る前に腕を上下に動かす動作、さらには、フィギアスケートの羽生結弦選手が演技に入る前に行う両手を合わせた後の十字を切るような動作などなど、このルーティンを重んじている一流のスポーツ選手は少なくないように思えます。
運動心理学では、スポーツの世界でこのルーティンが重んじられている理由は、選手自身がプレーに入る前に既に疑似成功体験をイメージするためだと言われています。言い換えれば、選手自身が実際のプレーを行う前に一定のルーティンを行うことにより、成功するイメージが脳の中で再現フィルムのように浮かんでくるのだいうことのようです。
ビジネスの世界でも、「ルーティン」は非常に重要だという話を聞いたことがあります。よく「有能な経営者は、作業や決断が早い」といわれます。これってなぜでしょうか。これは自分の業務をルーティン化することで、実際の作業に入る前にすでに業務の完了イメージができあがっているからではないでしょうか。大量で多岐にわたる業務に直面している時や、重圧のかかる商談前など精神状態が不安定となりがちな時ほど、その人独自のルーティンから入ることで、いつもの日常業務に取り組むのと同様の心理状態に近づけて、結果的に作業や決断が他に比べて早くできるのではないか…と思います(私は残念ながらまだまだそこまでの境地に到達できておりませんが…)。
しかしながら、このルーティンは一朝一夕で出来上がるようなものではなく、計り知れない膨大な時間と反復練習によって選手や経営者の身体に刷り込まれてゆくものなのだそうです。単に物真似のようにやっても、薄いメッキのように簡単に剥がれて落ちてしまうからこそ、一流のスポーツ選手や経営者は普段の生活サイクル自体もルーティン化しているのだということも聞きました。「継続は力なり」という言葉どおり、継続し続けることで、その人の「人間力」が向上していくものなんだなぁ~…と改めて感じています。
「史上最大の番狂わせ」の疲れが残っていたのか9月23日(水)のスコットランド戦は10対45の敗戦と言う残念な結果に終わってしまいましたが、次の10月3日(土)に行われた難敵サモア戦には26対5で勝利。日本代表は南アフリカ戦での「史上最大の番狂わせ」が、決して奇跡ではなかったことを証明してくれました。この試合でも五郎丸選手のあの両手を胸の前で合わせるルーティンの姿が何度も見られ、次々に楕円形をしたボールをゴールライン中央部に立つH型のポールの間に通していきました。日本の奪った26点のうち16点はこの五郎丸選手のキックによるものです。
さらに10月11日(日)に行われるアメリカとの1次リーグ最終戦。この試合の前に行われた南アフリカとスコットランドがともに勝利したため、ボーナスポイントの差で、たとえ勝利したとしても1次リーグを突破してベスト8に進出する可能性は完全に消滅していましたが、そういう中でも日本代表は頑張ってくれました。28対18で強豪のアメリカを破り、これで1大会で初の3勝を挙げてくれました。この試合でも五郎丸選手のあの両手を胸の前で合わせるルーティンの姿を何度も目にして、感動させていただきました。
ちなみに、1次リーグで3勝しての敗退はワールドカップ史上初めてのことらしいです。しかし、世界中のラグビーファンに日本のラグビー恐るべし!…と強く印象付けたことは間違いのないことです。残念ながら悲願のベスト8進出は次回以降に持ち越しになっちゃいましたが、次回(2019年)のラグビーワールドカップ開催国は日本です。次回に大いに期待したいと思っています。日本国内でもラグビーファンが一気に増えると、次回開催国として嬉しいことですね(^^)v
頑張れ、ラグビー日本代表!\(*⌒0⌒)b♪
【追記】
五郎丸歩選手や日本のラグビーについてもう少し知りたい方は、下記のサイトを覗いてみてください。
「五郎丸歩 公式ブログサイト 楕縁形生活」
「日本ラグビーフットボール協会 公式HP」
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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