2017/01/30
中山道六十九次・街道歩き【第8回: 深谷→本庄】(その5)
雨合羽を羽織って、滝岡橋を出発しました。後ろから同じツアーの上野駅・東京駅出発組の皆さんが滝岡橋を渡ってきています。手を振ってご挨拶です。
約200メートルほど堤防の上を歩き、「滝岡の渡し」があった跡あたりで右折し、堤防を下へ降りていきます。江戸時代はここから対岸に渡し船で渡っていました。
その意味では、滝岡橋ではなくて、この「滝岡の渡し」から下へ下っていく道が本当の意味での旧中山道です。豊見坂同様、細い道幅の道路です。きっと昔もこんな感じだったのでしょう。なんでもない堤防から続く道なので、ちゃんと説明を受けないと、ここが昔の中山道だって、誰も気づかないでしょうね。
すぐに滝岡橋から続く普通の道路に合流します。道路の進行方向右側(東側)には深谷ネギやブロッコリーを栽培する畑が広がっています(進行方向左側は小山川の堤防です)。
平成26年(2014年)の2月14日から16日にかけて低気圧が日本の南岸を発達しながら通過し、近畿から東北にかけて大雪となり、特に関東内陸や甲信では記録的大雪となりました。関東地方でも秩父市(1926年観測開始)で98cm、前橋市(1896年観測開始)で73cm、熊谷市(1896年観測開始)で62cm、宇都宮市(1890年観測開始)で32cm…と過去最深積雪を記録、東京都心でも千代田区大手町で最深積雪27cmを記録しました。埼玉県でもビニールハウスの倒壊が相次ぎ、県産のブランドネギである「深谷ネギ」を始めとした農産物の被害が発生、被害額は約229億円にも及びました。
その記録的な大雪から3年近くが経過し、大変な被害を受けたビニールハウスはほぼ元通りの復旧がなされています。
「旧道」を示す標識が出ていますが、皆さんが進んでいる細い道のほうが、実は旧中山道です。こういう分岐が続きます。ワイルドといえば、これまでで一番ワイルドな区間かもしれません。おそらく地図にもちゃんとは載っていないのではないか…と思われます。繰り返しになりますが、この区間は道案内をしていただけるガイドさんがいないと絶対に通れないようなところです。これから群馬県、長野県…と山の中の道へ入っていくのですが、こういうワイルドなコースが徐々に増えてくるのかもしれません。楽しみです。
上記の右側の写真に写っている民家の裏側を通る細い道(河川の付け替えのため畦道のように細くなっていますが、これも旧中山道です)を抜けたところの道端に、小さな無縁仏の供養塔が建っています。このあたりを流れる利根川の支流の小山川はたびたび氾濫を起こしていたようで、名も知れない旅人がその濁流に呑まれて何人も命を落としたのでしょう。この供養塔は、そうした名も知れない無縁仏を供養したものと思われます。
本庄市に入りました。深谷市から本庄市に入ったところで、街のあちこちで見掛けるキャラクターが「ふっかちゃん」から「はにぽん」に一気に変わりました。
深谷市と本庄市。この隣接する2つの市には、それぞれ全国的に有名になった「ゆるキャラ」がいます。深谷市のイメージキャラクターである「ふっかちゃん」と、本庄市のマスコットの「はにぽん」。「ふっかちゃん」が深谷市の地元名産の「深谷ねぎ」のしなやかで豪快な角が特徴のキャラクターなら、「はにぽん」は本庄市内にある「前の山古墳」から出土した全国的にも珍しい笑う表情を持つ「盾持人物埴輪」をモチーフに生まれたキャラクターです。「はにぽん」の名前の由来は「埴輪(はにわ)」+「本庄(ほんじょう)」から付けられました。
ふっかちゃん公式HP
はにぽんオフィシャルHP
この隣接する2つの市の「ゆるキャラ」ですが、実は並みの「ゆるキャラ」ではないのです。深谷市の「ふっかちゃん」は2014年に行われた「ゆるキャラグランプリ2014」で2位 (1位は群馬県の「ぐんまちゃん」、3位が愛媛県の「みきゃん」)、本庄市の「はにぽん」は2016年に行われた「ゆるキャラグランプリ2016」で2位 (1位は高知県須崎市の「しんじょう君」)…と上位入賞を果たした「ゆるキャラ」界のスーパースターなのです。
「バリィさん」(ゆるキャラグランプリ2012王者)と「みきゃん」(ゆるキャラグランプリ2014で2位)を擁する愛媛県同様、埼玉県北部って、「ゆるキャラ」の隠れた宝庫なんですね。すぐ近くにある県境を挟んで隣の群馬県には「ぐんまちゃん」(ゆるキャラグランプリ2014王者)がいますからねぇ~。ちなみに、埼玉県全県で言うと、「ゆるキャラ」はそんなに強くありません。「ゆるキャラグランプリ2016」におきましては、埼玉県内で非常によく見掛ける埼玉県のマスコット「コバトン」は190位、さいたま市のマスコット「つなが竜ヌゥ」はなんとなんとの536位でした。ダメじゃん(笑)
ちなみに、埴輪が市のマスコットに選ばれているように、本庄市には4世紀から7世紀にかけての古墳がたくさんあります。平成25年7月現在、全部で622基の古墳(現存271、消滅351)が確認されていますが、これは埼玉県の市町村の中では2番目の多さです。
印西(東)交差点のところから埼玉県道・群馬県道258号中瀬牧西線に入るのですが、次の藤田小学校前交差点でその埼玉県道・群馬県道258号中瀬牧西線はすぐに右折していってしまいます。旧中山道は真っ直ぐです。
……(その6)に続きます。
約200メートルほど堤防の上を歩き、「滝岡の渡し」があった跡あたりで右折し、堤防を下へ降りていきます。江戸時代はここから対岸に渡し船で渡っていました。
その意味では、滝岡橋ではなくて、この「滝岡の渡し」から下へ下っていく道が本当の意味での旧中山道です。豊見坂同様、細い道幅の道路です。きっと昔もこんな感じだったのでしょう。なんでもない堤防から続く道なので、ちゃんと説明を受けないと、ここが昔の中山道だって、誰も気づかないでしょうね。
すぐに滝岡橋から続く普通の道路に合流します。道路の進行方向右側(東側)には深谷ネギやブロッコリーを栽培する畑が広がっています(進行方向左側は小山川の堤防です)。
平成26年(2014年)の2月14日から16日にかけて低気圧が日本の南岸を発達しながら通過し、近畿から東北にかけて大雪となり、特に関東内陸や甲信では記録的大雪となりました。関東地方でも秩父市(1926年観測開始)で98cm、前橋市(1896年観測開始)で73cm、熊谷市(1896年観測開始)で62cm、宇都宮市(1890年観測開始)で32cm…と過去最深積雪を記録、東京都心でも千代田区大手町で最深積雪27cmを記録しました。埼玉県でもビニールハウスの倒壊が相次ぎ、県産のブランドネギである「深谷ネギ」を始めとした農産物の被害が発生、被害額は約229億円にも及びました。
その記録的な大雪から3年近くが経過し、大変な被害を受けたビニールハウスはほぼ元通りの復旧がなされています。
「旧道」を示す標識が出ていますが、皆さんが進んでいる細い道のほうが、実は旧中山道です。こういう分岐が続きます。ワイルドといえば、これまでで一番ワイルドな区間かもしれません。おそらく地図にもちゃんとは載っていないのではないか…と思われます。繰り返しになりますが、この区間は道案内をしていただけるガイドさんがいないと絶対に通れないようなところです。これから群馬県、長野県…と山の中の道へ入っていくのですが、こういうワイルドなコースが徐々に増えてくるのかもしれません。楽しみです。
上記の右側の写真に写っている民家の裏側を通る細い道(河川の付け替えのため畦道のように細くなっていますが、これも旧中山道です)を抜けたところの道端に、小さな無縁仏の供養塔が建っています。このあたりを流れる利根川の支流の小山川はたびたび氾濫を起こしていたようで、名も知れない旅人がその濁流に呑まれて何人も命を落としたのでしょう。この供養塔は、そうした名も知れない無縁仏を供養したものと思われます。
本庄市に入りました。深谷市から本庄市に入ったところで、街のあちこちで見掛けるキャラクターが「ふっかちゃん」から「はにぽん」に一気に変わりました。
深谷市と本庄市。この隣接する2つの市には、それぞれ全国的に有名になった「ゆるキャラ」がいます。深谷市のイメージキャラクターである「ふっかちゃん」と、本庄市のマスコットの「はにぽん」。「ふっかちゃん」が深谷市の地元名産の「深谷ねぎ」のしなやかで豪快な角が特徴のキャラクターなら、「はにぽん」は本庄市内にある「前の山古墳」から出土した全国的にも珍しい笑う表情を持つ「盾持人物埴輪」をモチーフに生まれたキャラクターです。「はにぽん」の名前の由来は「埴輪(はにわ)」+「本庄(ほんじょう)」から付けられました。
ふっかちゃん公式HP
はにぽんオフィシャルHP
この隣接する2つの市の「ゆるキャラ」ですが、実は並みの「ゆるキャラ」ではないのです。深谷市の「ふっかちゃん」は2014年に行われた「ゆるキャラグランプリ2014」で2位 (1位は群馬県の「ぐんまちゃん」、3位が愛媛県の「みきゃん」)、本庄市の「はにぽん」は2016年に行われた「ゆるキャラグランプリ2016」で2位 (1位は高知県須崎市の「しんじょう君」)…と上位入賞を果たした「ゆるキャラ」界のスーパースターなのです。
「バリィさん」(ゆるキャラグランプリ2012王者)と「みきゃん」(ゆるキャラグランプリ2014で2位)を擁する愛媛県同様、埼玉県北部って、「ゆるキャラ」の隠れた宝庫なんですね。すぐ近くにある県境を挟んで隣の群馬県には「ぐんまちゃん」(ゆるキャラグランプリ2014王者)がいますからねぇ~。ちなみに、埼玉県全県で言うと、「ゆるキャラ」はそんなに強くありません。「ゆるキャラグランプリ2016」におきましては、埼玉県内で非常によく見掛ける埼玉県のマスコット「コバトン」は190位、さいたま市のマスコット「つなが竜ヌゥ」はなんとなんとの536位でした。ダメじゃん(笑)
ちなみに、埴輪が市のマスコットに選ばれているように、本庄市には4世紀から7世紀にかけての古墳がたくさんあります。平成25年7月現在、全部で622基の古墳(現存271、消滅351)が確認されていますが、これは埼玉県の市町村の中では2番目の多さです。
印西(東)交差点のところから埼玉県道・群馬県道258号中瀬牧西線に入るのですが、次の藤田小学校前交差点でその埼玉県道・群馬県道258号中瀬牧西線はすぐに右折していってしまいます。旧中山道は真っ直ぐです。
……(その6)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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