2014/10/16

富士山の初冠雪

今朝(10月16日)富士山初冠雪のニュースがあった。麓から見る富士山はやっぱり白い綿帽子をかぶっているのが一番映える。夏場に何回か富士山を見る機会があったがそのたびに雲に覆われて山頂を望むことができなかった。地元の方から、「綿帽子をかぶっていない富士山が恥ずかしいから姿を隠したのでしょう」と言われた。今年は天候不順も響き、富士山が見える日が少なかったようだ。富士山頂を目指した登山者も例年より少なかったようだ。これから富士山頂は厳しい冬の時期を迎えるが、麓にとっては、季節が進んで、綿帽子をかぶった優雅な富士山が見られる機会が増えてくる。

富士山初冠雪
ところで、初冠雪とは、夏を過ぎて初めて山頂に雪が積もって白くなっている状況を麓から確認した最初の日を言いう。ただ、富士山は1年を通じて何時雪が降っても不思議でない高山であるため、「夏を過ぎた」を特定の月日(例えば立秋)に決める訳に行かず、「その年の最高気温を観測した日を過ぎた後」から最初の冠雪を持って初冠雪とすることにしている。もう10月半ばであり、今後富士山頂で今年も最高気温を記録することはほぼ無いことから、記録上でも変わることはないだろう。

甲府地方気象台は次のようなお知らせを出しましたが、注書きに訂正があるかも知れないことまで示されています。


今朝このような景色となったのは富士山にまとまった雪が降ったからである。昨日(15日)の関東や東海地方では冷たい雨が降ったが、この時、富士山頂は雪となっていたと考えられる。15日12時の衛星可視画像で見ると伊豆諸島の南にある低気圧の北側に広がる雲域によって降水をもたらしたもので、富士山もすっぽりと雲の中に入っていることが判る。
富士山頂の昨日から今朝までの富士山頂の観測記録を図にしてみると、昨日の気温は終日0℃以下で、一度気温が-2℃付近まで上昇しているが、その後は下降を示している。湿度も今朝3時までは95%以上と湿っており、このころまで雪が降っていたと思われる。その後、寒気が入って気温は一気に下がって-12℃程度となり、湿度も下がっている。雲が払われ晴れ上がったことを示している。
富士山初冠雪_2


この初冠雪を気象衛星ひまわり7号でも捉えていた。富士山周辺は、今朝から晴れ上がり、黒い地表面の中にポツンと白い点が見えた(図中の白丸を付した部分の中央の白い点)。8時までは富士山に雲がかかっていないが、8時30分になると南東側に白い部分が広がっている。これは、寒気を呼び込んだ北西寄りの風で風下側に雲ができたためと見られる。 富士山初冠雪_3