2014/09/10

スーパームーン

昨夜(9月9日)、帰宅時の駅からの帰り道、何人かの人が空を見上げていましたので、私もつられて空を見上げると、真ん丸なお月様が出ていました。その時点まですっかり忘れていましたが、昨夜は『中秋の名月』でした。

この『中秋の名月』の“中秋”とは、旧暦の秋(7月、8月、9月)の真ん中の”日”を指す言葉で、旧暦8月15日のことです。今年はその旧暦の8月15日が昨夜9月9日でした。関東地方は薄い雲がかかってはいましたが、満月の強い光を遮るほどではなく、霞のような薄い雲越しに真ん丸な「お月様」を鑑賞することができました。

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(添付の写真は携帯電話のカメラで撮影したもので、写りは悪いのですが、携帯電話のカメラでここまで大きく撮影できたということで、その大きさがお分かりいただけると思います。薄い雲がかかって、周囲がどうしてもボケているのが残念です)

『中秋の名月』を愛(め)でる風習は中国から伝わり、奈良時代には既に宮中などで月見の宴を開いていたと歌集や物語に書かれています。また、庶民の間では、月を神聖なる神としてあがめ、農民は秋の収穫物を供えて五穀豊穣を祝い感謝する祭りをしていました。お月見といえば、お月様にウサギが餅をついている姿が見えるかどうか、子供の頃に目を凝らして見たことがありますが、正直言うと、私には今でもそうは見えません(笑)。月にウサギが住んでいるというのも、これまた中国人の発想なんだそうです。

新聞報道等によると、昨夜の満月は『スーパームーン』とも言うそうです。『セーラームーン』ならよく知っていますが(笑)、『スーパームーン』とは初耳なので、調べてみました。

『スーパームーン(Supermoon)』とは、満月または新月と、楕円軌道における月の地球への最接近のタイミングが重なることにより、地球から見た月の大きさが最大に見えることを言うのだそうです。学術的(物理学的)には、『地球‐月系における近点での惑星直列』。まぁ~、理系にとっては実に分かりやすい表現です(笑)

月は地球の周囲を楕円軌道を描いて周回していて、地球から月までの距離は、最も接近する時で約35万7,000km、最も遠く離れる時で40万6,000kmなんだそうです。計算によると、最も接近する時には、最も遠い時よりも満月の直径は最大で最大14%大きく、30%も明るいのだそうです。昔の人が、数ある満月の中でもこの『中秋の名月』を特に愛でたのも分かる気がします。今年(2014年)は8月10日と、昨夜9月9日がこの『スーパームーン』による満月でした。

ちなみに、この反対の現象である、月が最も遠い時の満月(学術的には、『地球‐月系における遠点での惑星直列』)のことを『マイクロムーン(Micromoon)』と呼ぶそうです。

駅からの帰り道、チラチラと夜空の『スーパームーン』を見上げながら歩いて帰ったのですが、コオロギをはじめとした秋の虫の音が聴こえていました。飼っておられるのでしょう、どこかのお宅の庭先からはスズムシの鳴き声も。すっかり季節は初秋ですね。