2015/01/16
阪神・淡路大震災から20年
明日は1月17日。6,434名の尊い命が犠牲になった阪神・淡路大震災から早くも20年が経過しました。
20年という長い年月に加え、死者行方不明者の数が約3倍(今日現在19,238名)と、4年前の3月11日に発生した東日本大震災のインパクトのほうが、被害の広さという点でも、程度という点でも遥かに大きいということもあり、東日本大震災の影に隠れて、我々はともすれば忘れがちになってしまっていますが、神戸という日本を代表するような大都市が直下型地震の直撃を受けたということでは決して忘れてはいけない災害です。
日本の“防災”はこの阪神・淡路大震災が起点になって本格的に始まったようなところがあります。建物の耐震基準の抜本的な見直しが行われ、建物の耐震強度はそれまでとは飛躍的に向上しました。そのおかげでしょう、昨年の東日本大震災では最大震度7という阪神・淡路大震災を大幅に上回る規模の揺れを観測したものの、地震の揺れだけに伴う建物の損壊や犠牲者の数は驚くほど少なくて済みました(被害の大部分は阪神淡路大震災では起きなかった津波によるものです)。
ハード面だけではありません。私もそうですが、「防災士」という制度が出来たのも阪神・淡路大震災が発端でした。人々の防災に対する意識はそれ以前より飛躍的に高まりました。防災ボランティアが世の中で注目されるようになったのも阪神淡路大震災の時からです。
活断層の崩壊による直下型の地震が引き起こした阪神・淡路大震災と、大陸プレートの接合面が崩壊する海溝型と呼ばれる地震が引き起こした東日本大震災とではそもそもの地震のタイプが異なり、巨大津波というそれまでは“想定”を遥かに上回る自然の脅威が襲ってきたことで、思わぬ大きな被害を出してしまいましたが、確実に我が国の防災力は向上していると私は思っています。
19,238名という命を落とされたり今も行方が不明のままの方々、そしてそのご家族の皆様には大変に申し訳ないことですが、前述のように、東日本大震災ではマグニチュード9.0、最大震度7という世界でも有史以来有数の規模の途方もない超巨大地震が発生したにも関わらず、この程度の犠牲者の数で済んだというのは、間違いなく阪神・淡路大震災から学んだことが多かったからではないか…と私は考えています。もっと言うと、6,434名の尊い命の犠牲があったからこそです。
我々気象情報会社は、自然の脅威の来襲により不幸にもお亡くなりになられた方々の尊い命の上に成り立っているビジネスである…と私は常々クチにしていますが、まさにその通りです。犠牲になられた方々がお亡くなりになる直前の無念なお気持ちを、我々は片時も忘れてはいけません。そして、この先、同じような思いをされる方々を少しでも少なくするために、我々は何をなすべきかを追求していかねばなりません。
“防災”も同じことです。阪神・淡路大震災で犠牲になられた6,434名の方々、さらには東日本大震災で不幸にも命を落とされたり、今だ行方が分からないままの19,238名の方々のご無念を次に活かすことが、我々に出来うる最大のご供養です。これらの方々の犠牲の上に立って、我々は自然の脅威の来襲に対して、より強くなっていかねばなりません。
明日は阪神・淡路と東日本、この2つの大震災の犠牲者を追悼するとともに、20年前の経験や教訓を東北の被災地の復興に、さらには今後の防災にどのように活かすことができるか、国民全体で共に考える1日であってほしいと願っています。阪神淡路大震災発生の2日後に被災地神戸へ行って、悲惨な被災地の様子を目の当たりにしてきた者の1人として…。
20年という長い年月に加え、死者行方不明者の数が約3倍(今日現在19,238名)と、4年前の3月11日に発生した東日本大震災のインパクトのほうが、被害の広さという点でも、程度という点でも遥かに大きいということもあり、東日本大震災の影に隠れて、我々はともすれば忘れがちになってしまっていますが、神戸という日本を代表するような大都市が直下型地震の直撃を受けたということでは決して忘れてはいけない災害です。
日本の“防災”はこの阪神・淡路大震災が起点になって本格的に始まったようなところがあります。建物の耐震基準の抜本的な見直しが行われ、建物の耐震強度はそれまでとは飛躍的に向上しました。そのおかげでしょう、昨年の東日本大震災では最大震度7という阪神・淡路大震災を大幅に上回る規模の揺れを観測したものの、地震の揺れだけに伴う建物の損壊や犠牲者の数は驚くほど少なくて済みました(被害の大部分は阪神淡路大震災では起きなかった津波によるものです)。
ハード面だけではありません。私もそうですが、「防災士」という制度が出来たのも阪神・淡路大震災が発端でした。人々の防災に対する意識はそれ以前より飛躍的に高まりました。防災ボランティアが世の中で注目されるようになったのも阪神淡路大震災の時からです。
活断層の崩壊による直下型の地震が引き起こした阪神・淡路大震災と、大陸プレートの接合面が崩壊する海溝型と呼ばれる地震が引き起こした東日本大震災とではそもそもの地震のタイプが異なり、巨大津波というそれまでは“想定”を遥かに上回る自然の脅威が襲ってきたことで、思わぬ大きな被害を出してしまいましたが、確実に我が国の防災力は向上していると私は思っています。
19,238名という命を落とされたり今も行方が不明のままの方々、そしてそのご家族の皆様には大変に申し訳ないことですが、前述のように、東日本大震災ではマグニチュード9.0、最大震度7という世界でも有史以来有数の規模の途方もない超巨大地震が発生したにも関わらず、この程度の犠牲者の数で済んだというのは、間違いなく阪神・淡路大震災から学んだことが多かったからではないか…と私は考えています。もっと言うと、6,434名の尊い命の犠牲があったからこそです。
我々気象情報会社は、自然の脅威の来襲により不幸にもお亡くなりになられた方々の尊い命の上に成り立っているビジネスである…と私は常々クチにしていますが、まさにその通りです。犠牲になられた方々がお亡くなりになる直前の無念なお気持ちを、我々は片時も忘れてはいけません。そして、この先、同じような思いをされる方々を少しでも少なくするために、我々は何をなすべきかを追求していかねばなりません。
“防災”も同じことです。阪神・淡路大震災で犠牲になられた6,434名の方々、さらには東日本大震災で不幸にも命を落とされたり、今だ行方が分からないままの19,238名の方々のご無念を次に活かすことが、我々に出来うる最大のご供養です。これらの方々の犠牲の上に立って、我々は自然の脅威の来襲に対して、より強くなっていかねばなりません。
明日は阪神・淡路と東日本、この2つの大震災の犠牲者を追悼するとともに、20年前の経験や教訓を東北の被災地の復興に、さらには今後の防災にどのように活かすことができるか、国民全体で共に考える1日であってほしいと願っています。阪神淡路大震災発生の2日後に被災地神戸へ行って、悲惨な被災地の様子を目の当たりにしてきた者の1人として…。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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