2015/07/15
茶碗蒸しの歌
このところ私がはまっていて、毎回楽しみにしているテレビ番組に『妄想ニホン料理』というNHKの番組があります。♪「どげぇなもんでしょな」のテーマソングが耳に楽しい番組です。2013年10月から毎週土曜日23時30分~24時00分の時間帯でレギュラー放送されていましたが、2015年3月でレギュラー放送が終了し、2015年4月以降は金曜20時台で月1回放送されています。
日本料理を全く知らない海外の料理人が、簡単なヒントだけで日本の料理を作ったらいったいどんな料理が創作されるのか?…がコンセプトの番組で、生み出される、奇想天外・抱腹絶倒なニホン料理が実に楽しい。
司会は、清水ミチコさんとムロツヨシさん(2015年3月までのレギュラー放送時は栗原類クンでした)。濱田マリさんのナレーションが絶妙です。
日本の料理を海外のシェフに作ってもらうのですが、大まかなコンセプト、特徴を3つほど提示するだけで、使う材料とかレシピなどはいっさい教えない。そのヒントだけで、妄想して作ってもらう訳です。
同じ料理を異なる複数の国の人にそれぞれ作ってもらう面白さがあります。あれこれ、こうなんじゃないか、ああしたらどうかと夫婦の料理人が相談したり、その過程を見ているのが面白いし、出来上がった物はかなり違っていても、美味しそうだし。
最後にPC画面でオリジナル(日本の料理)を見て貰って、共通点があって喜ぶシーンもたまにあったりして。確かスペインだったでしょうか、レストランで作ってもらった「鯵の南蛮漬け」がそうでした。さすがに「南蛮漬け」と言うだけに、もともとは長崎の出島あたりにスペインからもたらされた料理なのかもしれませんね。
で、その『妄想ニホン料理』の軽快なテーマソング、実は原曲があります。その名も『茶碗蒸しの歌』と言います。
この『茶碗蒸しの歌』、鹿児島県志布志市(それにしても物凄い地名です。志布志市志布志町志布志◯丁目という、思わず最敬礼したくなるような地名もあります)出身の“カゴシマーナ”の妻に言わせると、その歌は鹿児島県人ならついつい口ずさんでしまうくらいの有名な(鹿児島ローカルですが)童歌なんだそうです。
鹿児島弁尽くしとも言える歌詞で、一般の日本人にはまったく意味不明、曲調もどことなく(南太平洋の)ポリネシアンチックで、なぁ~んとなく異国情緒が漂ってきますが、純粋に日本の(正確には鹿児島の)童歌です。
妻に歌ってもらい、口述筆記しましたが、あまりに難解な鹿児島弁の歌詞だけに、妻に訳してもらい、日本語(標準語)の翻訳も一緒につけておきます。難解ですが決して昔の人が喋っていた古い鹿児島弁というわけではなく、今の鹿児島の人達もふつうに使っている鹿児島弁だそうです。
妻の実家にはじめて行った時、家族が何を話しているのかさっぱり解らなくて、大変な思いをしました。妻も東京にいる時とは喋り方がまるで変わり(鹿児島弁ですから)、別人かと思いました。妻の両親と会話するにも、最初は妻の通訳が必要なくらいで、「パスポートを持たずに来てしまったけど、ここは本当に日本か?」って思いましたもん(^^;
今でも妻が電話などで鹿児島弁で喋り始めると、何を言ってるのかわからない時があります。妻は日本語と鹿児島弁のバイリンガルと称していますが…(^O^)
今の鹿児島弁でもそうなんですから、昔の鹿児島弁はもっと難解だった筈で、それを考えたら戊辰戦争や維新後の明治政府、日清・日露戦争時の大日本帝国陸海軍の中で、よく細かな意思統一を図ることが出来たものだ…と思っています。
いやぁ~、細かい意思の統一など二の次で、“志”さえ同じだったら、好きにやって…で、勢いだけで突き進んだのかもしれないな…と思ったりもします。それこそ、“志布志市志布志町志布志”で(^O^)
【茶碗蒸しの歌】……鹿児島地方で昔から歌われている童謡のようですので、著作権の問題はありませんよね。
①番
♪うんだもこら いけなもんな
(あらまぁ これはどんなものでしょうか?)
♪あたいげんどん ちゃわんなんだ
(私の家の茶碗は)
♪日に日に三度もあるもんせば
(毎日、1日に3回も洗っているので)
♪きれいなもんごわんさー
(清潔なものですよ)
♪茶碗についたムッちゃろかい
(茶碗についた虫のことでしょうか?)
♪めごなどけあるくムッちゃろかい
(洗い物籠などを蹴散らして歩く虫のことでしょうか?)
♪まこてげんねこっじゃ
(まったく恥ずかしい事ですわ)
♪わっはっは
(わっはっは)
②番
♪うんだもこら いけなもんな
(あらまぁ これはどんなものでしょうか?)
♪あたいげぇどん嫁じょなんだ
(私の家のお嫁さんは)
♪日に日に三度もちけもんせぇば
(毎日3度もお化粧をしているから)
♪きれいなもんごゎんさぁ
(綺麗なもんですよ)
♪顔についたけしょじゃろかい
(顔に付いた化粧なんだか)
♪化粧についた顔じゃろかい
(化粧に付いた顔なんだか)
♪まこてげんねこっじゃ
(まったく恥ずかしい事です)
♪わっはっは
(わっはっは)
③番
♪うんだもこら いけなもんな
(あらまぁ これはどんなものでしょうか?)
♪あたいげぇどんむひこぉなんだ
(私の家の息子は)
♪日に日にろっどもくろもんせぇば
(毎日毎日6度もおかわりをするから)
♪たまげたもんごゎんさぁ
(驚いてしまいます)
♪あたいがちかたがすねたろかい
(私のよそい方が少ないのか)
♪あてごた茶碗がこめたろかい
(あてがった茶碗が小さいのか)
♪まこてげんねこっじゃ
(まったく恥ずかしい事です)
♪わっはっは
(わっはっは)
この『茶碗蒸しの歌』は、“ちゃわんむし”と聞いて、「(料理の)茶碗蒸し」ではなくて「茶碗虫(茶碗につく虫)」と想像したことの面白さを歌ったものですが、NHKの『妄想ニホン料理』の番組コンセプトと一致するところがありますね。
番組コンセプトがあって、それに相応しいと思ってこの歌がテーマソングに選ばれたのか、童歌『茶碗蒸しの歌』をヒントにして『妄想ニホン料理』の番組コンセプトが生まれたのか…、興味があるところです。私はおそらく後者ではないかと思いますね。
番組のテーマソングには「どげぇなもんでしょな?」の合いの手が入っていますが、その「どげぇな」もなんとなく鹿児島弁っぽくていいです。
その『茶碗蒸しの歌』を、サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システムっちゅうミュージシャンが、アフリカの親指ピアノを使ってアレンジした『茶わんむしのクンビア』っていう曲が、番組で使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=WDCFidSPBm0
いい具合に脱力系の繰り返し(俗謡ってそうですね。使われている音数も少ないですし)で、知らず知らずゆらゆらしてる人もいるのでは(笑)。音はアフリカンでなく、ツンチャカ、ツンチャカ、……、とレゲエに近いサウンドです。
この“カゴシマーナ”テイスト満載のこの楽曲、脱力系でなかなかいいです。
ちょっと鹿児島県人が羨ましい感じがしています。
日本料理を全く知らない海外の料理人が、簡単なヒントだけで日本の料理を作ったらいったいどんな料理が創作されるのか?…がコンセプトの番組で、生み出される、奇想天外・抱腹絶倒なニホン料理が実に楽しい。
司会は、清水ミチコさんとムロツヨシさん(2015年3月までのレギュラー放送時は栗原類クンでした)。濱田マリさんのナレーションが絶妙です。
日本の料理を海外のシェフに作ってもらうのですが、大まかなコンセプト、特徴を3つほど提示するだけで、使う材料とかレシピなどはいっさい教えない。そのヒントだけで、妄想して作ってもらう訳です。
同じ料理を異なる複数の国の人にそれぞれ作ってもらう面白さがあります。あれこれ、こうなんじゃないか、ああしたらどうかと夫婦の料理人が相談したり、その過程を見ているのが面白いし、出来上がった物はかなり違っていても、美味しそうだし。
最後にPC画面でオリジナル(日本の料理)を見て貰って、共通点があって喜ぶシーンもたまにあったりして。確かスペインだったでしょうか、レストランで作ってもらった「鯵の南蛮漬け」がそうでした。さすがに「南蛮漬け」と言うだけに、もともとは長崎の出島あたりにスペインからもたらされた料理なのかもしれませんね。
で、その『妄想ニホン料理』の軽快なテーマソング、実は原曲があります。その名も『茶碗蒸しの歌』と言います。
この『茶碗蒸しの歌』、鹿児島県志布志市(それにしても物凄い地名です。志布志市志布志町志布志◯丁目という、思わず最敬礼したくなるような地名もあります)出身の“カゴシマーナ”の妻に言わせると、その歌は鹿児島県人ならついつい口ずさんでしまうくらいの有名な(鹿児島ローカルですが)童歌なんだそうです。
鹿児島弁尽くしとも言える歌詞で、一般の日本人にはまったく意味不明、曲調もどことなく(南太平洋の)ポリネシアンチックで、なぁ~んとなく異国情緒が漂ってきますが、純粋に日本の(正確には鹿児島の)童歌です。
妻に歌ってもらい、口述筆記しましたが、あまりに難解な鹿児島弁の歌詞だけに、妻に訳してもらい、日本語(標準語)の翻訳も一緒につけておきます。難解ですが決して昔の人が喋っていた古い鹿児島弁というわけではなく、今の鹿児島の人達もふつうに使っている鹿児島弁だそうです。
妻の実家にはじめて行った時、家族が何を話しているのかさっぱり解らなくて、大変な思いをしました。妻も東京にいる時とは喋り方がまるで変わり(鹿児島弁ですから)、別人かと思いました。妻の両親と会話するにも、最初は妻の通訳が必要なくらいで、「パスポートを持たずに来てしまったけど、ここは本当に日本か?」って思いましたもん(^^;
今でも妻が電話などで鹿児島弁で喋り始めると、何を言ってるのかわからない時があります。妻は日本語と鹿児島弁のバイリンガルと称していますが…(^O^)
今の鹿児島弁でもそうなんですから、昔の鹿児島弁はもっと難解だった筈で、それを考えたら戊辰戦争や維新後の明治政府、日清・日露戦争時の大日本帝国陸海軍の中で、よく細かな意思統一を図ることが出来たものだ…と思っています。
いやぁ~、細かい意思の統一など二の次で、“志”さえ同じだったら、好きにやって…で、勢いだけで突き進んだのかもしれないな…と思ったりもします。それこそ、“志布志市志布志町志布志”で(^O^)
【茶碗蒸しの歌】……鹿児島地方で昔から歌われている童謡のようですので、著作権の問題はありませんよね。
①番
♪うんだもこら いけなもんな
(あらまぁ これはどんなものでしょうか?)
♪あたいげんどん ちゃわんなんだ
(私の家の茶碗は)
♪日に日に三度もあるもんせば
(毎日、1日に3回も洗っているので)
♪きれいなもんごわんさー
(清潔なものですよ)
♪茶碗についたムッちゃろかい
(茶碗についた虫のことでしょうか?)
♪めごなどけあるくムッちゃろかい
(洗い物籠などを蹴散らして歩く虫のことでしょうか?)
♪まこてげんねこっじゃ
(まったく恥ずかしい事ですわ)
♪わっはっは
(わっはっは)
②番
♪うんだもこら いけなもんな
(あらまぁ これはどんなものでしょうか?)
♪あたいげぇどん嫁じょなんだ
(私の家のお嫁さんは)
♪日に日に三度もちけもんせぇば
(毎日3度もお化粧をしているから)
♪きれいなもんごゎんさぁ
(綺麗なもんですよ)
♪顔についたけしょじゃろかい
(顔に付いた化粧なんだか)
♪化粧についた顔じゃろかい
(化粧に付いた顔なんだか)
♪まこてげんねこっじゃ
(まったく恥ずかしい事です)
♪わっはっは
(わっはっは)
③番
♪うんだもこら いけなもんな
(あらまぁ これはどんなものでしょうか?)
♪あたいげぇどんむひこぉなんだ
(私の家の息子は)
♪日に日にろっどもくろもんせぇば
(毎日毎日6度もおかわりをするから)
♪たまげたもんごゎんさぁ
(驚いてしまいます)
♪あたいがちかたがすねたろかい
(私のよそい方が少ないのか)
♪あてごた茶碗がこめたろかい
(あてがった茶碗が小さいのか)
♪まこてげんねこっじゃ
(まったく恥ずかしい事です)
♪わっはっは
(わっはっは)
この『茶碗蒸しの歌』は、“ちゃわんむし”と聞いて、「(料理の)茶碗蒸し」ではなくて「茶碗虫(茶碗につく虫)」と想像したことの面白さを歌ったものですが、NHKの『妄想ニホン料理』の番組コンセプトと一致するところがありますね。
番組コンセプトがあって、それに相応しいと思ってこの歌がテーマソングに選ばれたのか、童歌『茶碗蒸しの歌』をヒントにして『妄想ニホン料理』の番組コンセプトが生まれたのか…、興味があるところです。私はおそらく後者ではないかと思いますね。
番組のテーマソングには「どげぇなもんでしょな?」の合いの手が入っていますが、その「どげぇな」もなんとなく鹿児島弁っぽくていいです。
その『茶碗蒸しの歌』を、サカキマンゴー&リンバ・トレイン・サウンド・システムっちゅうミュージシャンが、アフリカの親指ピアノを使ってアレンジした『茶わんむしのクンビア』っていう曲が、番組で使われています。
http://www.youtube.com/watch?v=WDCFidSPBm0
いい具合に脱力系の繰り返し(俗謡ってそうですね。使われている音数も少ないですし)で、知らず知らずゆらゆらしてる人もいるのでは(笑)。音はアフリカンでなく、ツンチャカ、ツンチャカ、……、とレゲエに近いサウンドです。
この“カゴシマーナ”テイスト満載のこの楽曲、脱力系でなかなかいいです。
ちょっと鹿児島県人が羨ましい感じがしています。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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