2016/01/15
人は空気を知らない
会社の経営やお客様への営業を考える上で絶対に忘れてならないことがあります。それは「感謝の気持ち」ということです。
皆さんも子育ての中で一番気を付けている(苦労している)ことは、お子さんにこの感謝の気持ちを身に付けさせる(躾ける)ことではないでしょうか。私も子供に向かって「ありがとうとちゃんと言った?」という言葉を何度使ったことでしょうか。
(まともな社会性を持つ)大人であれば、社会生活を営んでいくうえでこの「感謝の気持ち」がいかに重要であるか分かっています。ですから、どんな親でも折に触れて子供にこの「感謝の気持ち」をなんとか躾けようと苦心するのですが、なかなか子供達がクチから出る「ありがとう」の言葉から本物の感謝の気持ちを感じとれないので、イライラしている方も多いのではないでしょうか。親の私はこんなに繊細なのに、子供はなぜこんなにも鈍感で無愛想だろうか…と悩む人もいらっしゃるかと思います。実は私もそうでした。
私もこれまで何度か見掛ける機会があったのですが、企業の創業者の老人が誰かに支えられないと立って歩けないほどヨロヨロになっても、真っ先に酒の席を回ってお客様に対してお礼を述べている姿を目にして感動で涙が溢れそうになったことがあります。
創業の苦難を乗り越えた人の身に染みついた「感謝の気持ち」は、たとえ言葉が少なくてもその表情や身体からオーラのように滲みだすものです。もちろん一部の例外はありますが、二代目以降の経営者は経営がもっと良くなることはあっても、この「感謝の気持ち」は急激に薄れていく(多くの場合、ほとんどなくなる)ように思います。
恐怖と苦難と闘って僅かな勝算にかけて生き残ったことを通じて、人は感謝の本当の意味を知るものです。その証拠に、自然災害から幸運にも救出された人々のクチからは「怖かった!」、「助かった!」という言葉の後に、たいてい「ありがとう」という感謝の言葉が続くものです。
成功した経営者の方々にはある1つの共通項があります。それは彼らの殆どが「自分は幸運だ」と思っているところです。「成功は自分一人の力だけによるものではない。運良く良い人と出会ったからだ」と思う気持ちは、実は“感謝の源泉”です。極限の戦いをするからこそ、彼らは自分の力の限界を知り、他人や他力に感謝する気持ちが生まれるのです。目いっぱい生きる人は自然と「感謝の気持ち」を知るものです。
どんな裕福な生活でも、どんな快楽な環境でも、その中に数年も浸っていれば、身体も心もそれに慣れてしまい、「感謝の気持ち」を知らなく(感じなく)なります。今、自分が置かれている周囲の環境が当たり前だと思うようになり、「感謝の気持ち」が心から静かに逃げ出してしまうからです。
かつて、大阪のある会社を訪ねた時、壁にこんな“書”が額に入れられてかかっていました。
「魚は水を知らない。人は空気を知らない。」
これは創業者であるその会社の代表取締役会長の座右の銘なんだそうですが、ハレックス社の社長になって13年目に入り、改めてその言葉を思い出しています。
「人は空気を知らない。」この場合の“空気”とは自分が今置かれている地位や周囲のあらゆる環境のこと。その地位にいるのも、今置かれている環境も自分だけの力で勝ち取ったのだと驕ってはいけません。家族や友人、先輩、後輩、上司、部下、同僚、それに今は社員の皆さん、そしてなにより忘れてはならないのがお客様。そういう周囲の方々のおかげで今の自分がある…、そういう戒めの言葉が、この「人は空気を知らない。」という言葉です。
その意味で、私は家族のことを知っているだろうか…、友人のことを知っているだろうか、社員とお客様のことを知っているだろうか…、と思う今日この頃です。
【追記】
会社だってそうです。皆さん社員の給料だってそうです。社員の給料は社長である私のポケットマネーから出ているわけではありません。すべてはお客様からいただいた売上の中から支払われているのです。(それは社長である私の給料だって同じことです。)
ですから、お客様(正確にはエンドユーザー様)には常に「感謝の気持ち」をもって接し、「感謝の気持ち」をもってお客様の気持ちになって考えることをやり続けないといけません。
で、あなたのやっている業務において、真のお客様は誰ですか?
そして、その真のお客様に対して「感謝の気持ち」をもって日々の業務に臨んでいますか?
その「感謝の気持ち」がありさえすれば、お客様が何を望んでいて(お客様の期待)、何をして差し上げれば一番喜んでいただけるのか…ということに関心がいく筈だと私は思います。
「感謝の気持ち」を忘れては、社会で大成することは絶対にありえません。
それ以前に、社会人として(いや、人として)、尊敬されること(認められること)は決してありません。
「人は空気を知らない。」…皆さんも折に触れ、今一度この言葉の意味を噛み締めていただければ…と思います。
皆さんも子育ての中で一番気を付けている(苦労している)ことは、お子さんにこの感謝の気持ちを身に付けさせる(躾ける)ことではないでしょうか。私も子供に向かって「ありがとうとちゃんと言った?」という言葉を何度使ったことでしょうか。
(まともな社会性を持つ)大人であれば、社会生活を営んでいくうえでこの「感謝の気持ち」がいかに重要であるか分かっています。ですから、どんな親でも折に触れて子供にこの「感謝の気持ち」をなんとか躾けようと苦心するのですが、なかなか子供達がクチから出る「ありがとう」の言葉から本物の感謝の気持ちを感じとれないので、イライラしている方も多いのではないでしょうか。親の私はこんなに繊細なのに、子供はなぜこんなにも鈍感で無愛想だろうか…と悩む人もいらっしゃるかと思います。実は私もそうでした。
私もこれまで何度か見掛ける機会があったのですが、企業の創業者の老人が誰かに支えられないと立って歩けないほどヨロヨロになっても、真っ先に酒の席を回ってお客様に対してお礼を述べている姿を目にして感動で涙が溢れそうになったことがあります。
創業の苦難を乗り越えた人の身に染みついた「感謝の気持ち」は、たとえ言葉が少なくてもその表情や身体からオーラのように滲みだすものです。もちろん一部の例外はありますが、二代目以降の経営者は経営がもっと良くなることはあっても、この「感謝の気持ち」は急激に薄れていく(多くの場合、ほとんどなくなる)ように思います。
恐怖と苦難と闘って僅かな勝算にかけて生き残ったことを通じて、人は感謝の本当の意味を知るものです。その証拠に、自然災害から幸運にも救出された人々のクチからは「怖かった!」、「助かった!」という言葉の後に、たいてい「ありがとう」という感謝の言葉が続くものです。
成功した経営者の方々にはある1つの共通項があります。それは彼らの殆どが「自分は幸運だ」と思っているところです。「成功は自分一人の力だけによるものではない。運良く良い人と出会ったからだ」と思う気持ちは、実は“感謝の源泉”です。極限の戦いをするからこそ、彼らは自分の力の限界を知り、他人や他力に感謝する気持ちが生まれるのです。目いっぱい生きる人は自然と「感謝の気持ち」を知るものです。
どんな裕福な生活でも、どんな快楽な環境でも、その中に数年も浸っていれば、身体も心もそれに慣れてしまい、「感謝の気持ち」を知らなく(感じなく)なります。今、自分が置かれている周囲の環境が当たり前だと思うようになり、「感謝の気持ち」が心から静かに逃げ出してしまうからです。
かつて、大阪のある会社を訪ねた時、壁にこんな“書”が額に入れられてかかっていました。
「魚は水を知らない。人は空気を知らない。」
これは創業者であるその会社の代表取締役会長の座右の銘なんだそうですが、ハレックス社の社長になって13年目に入り、改めてその言葉を思い出しています。
「人は空気を知らない。」この場合の“空気”とは自分が今置かれている地位や周囲のあらゆる環境のこと。その地位にいるのも、今置かれている環境も自分だけの力で勝ち取ったのだと驕ってはいけません。家族や友人、先輩、後輩、上司、部下、同僚、それに今は社員の皆さん、そしてなにより忘れてはならないのがお客様。そういう周囲の方々のおかげで今の自分がある…、そういう戒めの言葉が、この「人は空気を知らない。」という言葉です。
その意味で、私は家族のことを知っているだろうか…、友人のことを知っているだろうか、社員とお客様のことを知っているだろうか…、と思う今日この頃です。
【追記】
会社だってそうです。皆さん社員の給料だってそうです。社員の給料は社長である私のポケットマネーから出ているわけではありません。すべてはお客様からいただいた売上の中から支払われているのです。(それは社長である私の給料だって同じことです。)
ですから、お客様(正確にはエンドユーザー様)には常に「感謝の気持ち」をもって接し、「感謝の気持ち」をもってお客様の気持ちになって考えることをやり続けないといけません。
で、あなたのやっている業務において、真のお客様は誰ですか?
そして、その真のお客様に対して「感謝の気持ち」をもって日々の業務に臨んでいますか?
その「感謝の気持ち」がありさえすれば、お客様が何を望んでいて(お客様の期待)、何をして差し上げれば一番喜んでいただけるのか…ということに関心がいく筈だと私は思います。
「感謝の気持ち」を忘れては、社会で大成することは絶対にありえません。
それ以前に、社会人として(いや、人として)、尊敬されること(認められること)は決してありません。
「人は空気を知らない。」…皆さんも折に触れ、今一度この言葉の意味を噛み締めていただければ…と思います。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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