2016/01/25

「変わり者」が会社を救う

企業の収入が減少すると、数字に強い管理スタッフが経費削減・効率化に大ナタを振るい、『管理業務強化』の名の下に様々な管理を強めがちですが、本当にこれで企業が生き延びられるのでしょうか? 経費削減と効率化だけで業績がV字回復したって会社を私は知りません。(どなたかご存知でしたら教えてください。)

私が常に申し上げていますように、現在、我々を取り巻くビジネス環境はめまぐるしい勢いで変化しており、どのような企業・業種・業態においても、今まで通りのビジネススタイル・商品・商材・サービスを、今まで通りのやり方で続けていては、この先、期待する売上や利益を上げることができなくなっています。

変化するビジネス環境下において企業が行うべき経営の本質は、市場の変化にあわせてビジネススタイル・商品・商材・サービスの改善・改良を行うことではないでしょうか。

一番最初に触れましたが、管理業務を強めることで企業収入の減少に対応しても、それは単に一時的な回復を図るだけのことであり、継続的かつ本質的な改善には決して繋がりません。

以前、何かの雑誌で目にしたのですが、陸上競技の為末選手が面白いことを言っていました。もちろん陸上競技の内容でしたが、裏話のような面白さとビジネスにも通じる興味深さで印象に残っています。それは次のような内容でした。

陸上競技のコーチは、当然ですが選手が良いタイムを出すために指導します。しかし、時にはコーチの指導とは違う、言わば今までの常識とは違う走り方をして良いタイムを出す選手が現れるそうです。その選手は、標準的な走法から外れた「変わり者」として最初のうちは見られるのですが、時の経過ととともに、そして良いタイムが継続されるとともに、その選手の走り方が標準となっていくのだそうです。つまり、良いタイムが出る走り方に変化した者が、従来の走法の常識を超えて標準となっていくのです。

ビジネスの世界においても同じことが言えるのではないでしょうか。

例えば、別の業態・業種から参入してくるライバル企業は、業態・業種内の「しがらみ」や「しきたり」にとらわれる事はありません。常識にとらわれず、常に市場のニーズに直結したコストとサービスをもって市場への参入を図ります。

それに比べて既存の業者は、市場のニーズより自社の効率化のほうを優先し、その結果、今までの「しがらみ」や「しきたり」から脱出できず、新規参入してくるライバルに市場を次々と奪われていってしまいます。

つまり、新規参入業者の価格・サービスは、今までのその業態・業種の常識や標準からは外れたものであり、既存業者はそれに対して一種の「変わり者」的な見方をするわけです。

しかし、いずれそれが市場の標準になっていくのです。

歴史のある組織は、今までの「しがらみ」や「しきたり」から、組織全体が一度に脱出することはまず不可能
です。
組織の中、各部門・各部署スタッフの中に一部の「変わり者」が存在するかどうか?

あるいは、そのようなスタッフが組織の中で生き延びていける環境があるかどうか?

企業が変化し・存続するための鍵が、そこにあるように思います。

このように、「変わり者」こそが会社を救うのです!


【追記】
弊社ハレックスは気象情報業界においては新規参入業者だと私は認識しています。確かに2003年創立で会社としてそれなりの歴史はありますが、業界内での地位はまだまだ弱小、“挑戦者”です。

その弱小の“挑戦者”が既存の業者と同じように過去の「しがらみ」や「しきたり」にとらわれていたのでは、まったく勝負になりません。これまでの業界の常識にとらわれず、常に市場のニーズに直結したコストとサービスをもって市場への参入を図ること、それだけが当社が生き残る道、『勝利への方程式』だと思ってください。

世の中が大きく変わろうとしている時、生き残るのは大きいものでも強いものでもありません。唯一、その時代の変化に適合したものだけが生き残れるのです。これがダーウィンが唱えた「進化論」で、これはビジネスの世界でもあてはまります。