2016/08/29
中山道六十九次・街道歩き【第4回: 大宮→桶川】(その1)
『中山道六十九次・街道歩き』の第4回に参加して来ました。第4回は中山道4番目の宿場町・大宮宿から5番目の宿場町・上尾宿を通り、6番目の宿場町・桶川宿までの約13kmの区間を歩きます。
第4回のスタートは前回第3回のゴールだった大宮宿にほど近いJR大宮駅のコンコース、びゅうプラザ前でした。さいたま市中央区在住の我が家からは、『中山道六十九次・街道歩き』の出発地点の中で最も近い出発点です。この日も梅雨の合間のピーカン照りの1日で、さいたま市の予想最高気温は34°Cという真夏日(と言うか、ほとんど猛暑日)。熱中症に用心しての街道歩きになりました。梅雨時期の真っ只中ですし、数日前まで関東地方もぐずついたお天気の日が続いていたので、雨の中での街道歩きは嫌だなぁ〜と思っていたのですが、今回も晴れ。4回連続のピーカン照りの中での街道歩きになりました。ここまで晴れの日が続くと、私の“晴れ男”伝説も本物です。
この日も大勢の方が参加しています。スタッフの方に聞くとこの日の参加者も約200名なのだそうです。まだまだ“脱落組”は少ないようです。例によって入念なストレッチ体操で体をほぐした後、25人ほどのグループになって出発しました。大宮宿を出発し、次に目指すは上尾宿です。大宮宿を出て、旧中山道、現在の「県道164号鴻巣桶川さいたま線」をほぼ真北方向に道なりに進みます。私は埼玉県民になって28年になるのですが、正直ここから先はほとんど未知の世界です。
第3回までは東京都23区内や埼玉県でも大宮以南の比較的人口の多い、また江戸時代においても比較的開けていたところを歩いてきたので、途中に現在も残っている見所もそれなりに多かったのですが、ここから先は徐々に田舎(失礼)に入っていくので、そうはいきません。歴史探訪よりも、旧街道をただひたすら歩く「ウォーキング」の側面のほうが強くなってきます。しかもこの日は真夏のような暑さ。ジリジリと照りつける強い陽射しの中での苦行のような「ウォーキング」になりました。
東武野田線とJR宇都宮線(東北本線)の高架下を潜り、数分歩いた先のファミレスの駐車場の入口に、安政7年(1860年)に建てられたという「大山道道標」があります。神奈川県伊勢原市(相模国大山)にある大山阿夫利神社に参詣する大山詣での旅人のために埼玉県(武蔵の国)からも「府中通り大山道」という道があったことは前回第3回でも書きました。この「府中通り大山道」、日光街道の粕壁宿(埼玉県春日部市)を起点に岩槻(さいたま市)→大宮→中山道浦和宿→荒川・羽根倉の渡し又は秋ヶ瀬の渡し→宗岡村(埼玉県志木市)→清戸(東京都清瀬市)→東村山(東村山市)→甲州街道府中宿(府中市)→中河原の渡し(多摩川)→関戸(多摩市)→乞田→瓜生→小野路(町田市)→図師→木曽→境川→淵野辺(神奈川県相模原市)→磯部の渡し(相模川)→猿ヶ島(厚木市)→下川入村→三田村→八王子通り大山道と合流して大山阿夫利神社へという経路でした。
そのコースからすると、このさいたま市大宮区にある「大山道道標」は日光街道の粕壁宿(埼玉県春日部市)から岩槻(さいたま市)を経て中山道に合流した地点ということで建てられた道標と思われます。私達が今歩いている旧中山道(県道164号線)はこの先で岩槻や春日部に向かう国道16号線と交差しますし(高架下を潜ります)、手前の高島屋前の交差点のところで交差した県道2号さいたま春日部線(旧16号)も、国道16号バイパス(東大宮バイパス)が完成するまでは国道16号線だった幹線道路で、岩槻や春日部に向けて伸びています。また、国道16号線を西方向に進み上江橋(かみごうばし)で荒川を渡ると川越市です(現在の上江橋付近には“精進場の渡し”という渡船がありました)。その新旧2本の国道16号線の間ですから、かつてこのあたりから岩槻や春日部方面への旧道があったとしてもなんら不思議なことではありません。
ちなみに、この「大山道道標」には「大山 御嶽山 よの 引又 かわ越道」と刻まれています。すなわち、相模大山および大山阿夫利神社と、御岳山(東京都青梅市)、近隣の与野(現さいたま市中央区)、引又(ひきまた。現志木市)、そして、交易地として栄えていた川越への道を案内するものです。この道標を見ても、「府中通り大山道」が現在の与野駅東口交差点で分岐して、我が家の極々近所を通り、旧与野市(現さいたま市中央区)の中心地であるJR与野本町駅付近の本町通りを経て、羽根倉の渡しで荒川を渡って延びていたことが判ります。それにしても、このあたりから神奈川県伊勢原市まで歩いて行ったということなので、江戸時代の人はメチャメチャ健脚だったのですね。まぁ~、それを言ったら、中山道を終点まで行ったら京都の三条大橋ですから、もっと凄いけど。
さらに20分ほど歩くと左側のちょっと奥まったところに「東大成の庚申塔」があります。元禄10年(1697年)に建てられたというこの庚申塔は地元の人達から「耳の神さん、目の神さん」と呼ばれて、大事にされているのだそうです。この「東大成の庚申塔」のほかにも、大宮宿から上尾宿の間には、旧中山道沿いに庚申塔が幾つも建っています。
JR上越新幹線と埼玉ニューシャトル(埼玉新都市交通伊奈線)の高架線のガード下を通り過ぎてすぐのところにある東大成町交差点で、現在の中山道(国道17号線)と斜めに交差します。国道17号線を斜めに突っ切って、そのまま真っ直ぐ歩きます。この斜めに交差する交差点を目にすると、ちょこっと興奮するようになってきました(笑)。大宮駅東口交差点からこの東大成町交差点までは県道164号線をクルマで走ったことはありますが、ここから先、上尾方面はこれまで一度も走ったことはありません。現在の中山道、国道17号線がすぐ東側を並行するように延びていて、どうしても交通量の多い国道17号線のほうを使ってしまいます。国道17号線はJR宮原駅入口を過ぎた先の吉野町でさらに西側を並行して延びてきた新大宮バイパスと高架の立体交差で合流するのですが、この新大宮バイパスはその国道17号線との合流前に旧中山道(県道164号線)の上を高架で跨いで越えていくので(すなわち、交差しないので)、新大宮バイパスを使って上尾方向を目指す場合には、旧中山道(県道164号線)の存在そのものが分からない(見えない)のです。私は上尾方面に行く時には、大宮の中心部で慢性的に発生する渋滞を避けて、たいていの場合、新大宮バイパスを利用しますから。
……(その2)に続きます。
第4回のスタートは前回第3回のゴールだった大宮宿にほど近いJR大宮駅のコンコース、びゅうプラザ前でした。さいたま市中央区在住の我が家からは、『中山道六十九次・街道歩き』の出発地点の中で最も近い出発点です。この日も梅雨の合間のピーカン照りの1日で、さいたま市の予想最高気温は34°Cという真夏日(と言うか、ほとんど猛暑日)。熱中症に用心しての街道歩きになりました。梅雨時期の真っ只中ですし、数日前まで関東地方もぐずついたお天気の日が続いていたので、雨の中での街道歩きは嫌だなぁ〜と思っていたのですが、今回も晴れ。4回連続のピーカン照りの中での街道歩きになりました。ここまで晴れの日が続くと、私の“晴れ男”伝説も本物です。
この日も大勢の方が参加しています。スタッフの方に聞くとこの日の参加者も約200名なのだそうです。まだまだ“脱落組”は少ないようです。例によって入念なストレッチ体操で体をほぐした後、25人ほどのグループになって出発しました。大宮宿を出発し、次に目指すは上尾宿です。大宮宿を出て、旧中山道、現在の「県道164号鴻巣桶川さいたま線」をほぼ真北方向に道なりに進みます。私は埼玉県民になって28年になるのですが、正直ここから先はほとんど未知の世界です。
第3回までは東京都23区内や埼玉県でも大宮以南の比較的人口の多い、また江戸時代においても比較的開けていたところを歩いてきたので、途中に現在も残っている見所もそれなりに多かったのですが、ここから先は徐々に田舎(失礼)に入っていくので、そうはいきません。歴史探訪よりも、旧街道をただひたすら歩く「ウォーキング」の側面のほうが強くなってきます。しかもこの日は真夏のような暑さ。ジリジリと照りつける強い陽射しの中での苦行のような「ウォーキング」になりました。
東武野田線とJR宇都宮線(東北本線)の高架下を潜り、数分歩いた先のファミレスの駐車場の入口に、安政7年(1860年)に建てられたという「大山道道標」があります。神奈川県伊勢原市(相模国大山)にある大山阿夫利神社に参詣する大山詣での旅人のために埼玉県(武蔵の国)からも「府中通り大山道」という道があったことは前回第3回でも書きました。この「府中通り大山道」、日光街道の粕壁宿(埼玉県春日部市)を起点に岩槻(さいたま市)→大宮→中山道浦和宿→荒川・羽根倉の渡し又は秋ヶ瀬の渡し→宗岡村(埼玉県志木市)→清戸(東京都清瀬市)→東村山(東村山市)→甲州街道府中宿(府中市)→中河原の渡し(多摩川)→関戸(多摩市)→乞田→瓜生→小野路(町田市)→図師→木曽→境川→淵野辺(神奈川県相模原市)→磯部の渡し(相模川)→猿ヶ島(厚木市)→下川入村→三田村→八王子通り大山道と合流して大山阿夫利神社へという経路でした。
そのコースからすると、このさいたま市大宮区にある「大山道道標」は日光街道の粕壁宿(埼玉県春日部市)から岩槻(さいたま市)を経て中山道に合流した地点ということで建てられた道標と思われます。私達が今歩いている旧中山道(県道164号線)はこの先で岩槻や春日部に向かう国道16号線と交差しますし(高架下を潜ります)、手前の高島屋前の交差点のところで交差した県道2号さいたま春日部線(旧16号)も、国道16号バイパス(東大宮バイパス)が完成するまでは国道16号線だった幹線道路で、岩槻や春日部に向けて伸びています。また、国道16号線を西方向に進み上江橋(かみごうばし)で荒川を渡ると川越市です(現在の上江橋付近には“精進場の渡し”という渡船がありました)。その新旧2本の国道16号線の間ですから、かつてこのあたりから岩槻や春日部方面への旧道があったとしてもなんら不思議なことではありません。
ちなみに、この「大山道道標」には「大山 御嶽山 よの 引又 かわ越道」と刻まれています。すなわち、相模大山および大山阿夫利神社と、御岳山(東京都青梅市)、近隣の与野(現さいたま市中央区)、引又(ひきまた。現志木市)、そして、交易地として栄えていた川越への道を案内するものです。この道標を見ても、「府中通り大山道」が現在の与野駅東口交差点で分岐して、我が家の極々近所を通り、旧与野市(現さいたま市中央区)の中心地であるJR与野本町駅付近の本町通りを経て、羽根倉の渡しで荒川を渡って延びていたことが判ります。それにしても、このあたりから神奈川県伊勢原市まで歩いて行ったということなので、江戸時代の人はメチャメチャ健脚だったのですね。まぁ~、それを言ったら、中山道を終点まで行ったら京都の三条大橋ですから、もっと凄いけど。
さらに20分ほど歩くと左側のちょっと奥まったところに「東大成の庚申塔」があります。元禄10年(1697年)に建てられたというこの庚申塔は地元の人達から「耳の神さん、目の神さん」と呼ばれて、大事にされているのだそうです。この「東大成の庚申塔」のほかにも、大宮宿から上尾宿の間には、旧中山道沿いに庚申塔が幾つも建っています。
JR上越新幹線と埼玉ニューシャトル(埼玉新都市交通伊奈線)の高架線のガード下を通り過ぎてすぐのところにある東大成町交差点で、現在の中山道(国道17号線)と斜めに交差します。国道17号線を斜めに突っ切って、そのまま真っ直ぐ歩きます。この斜めに交差する交差点を目にすると、ちょこっと興奮するようになってきました(笑)。大宮駅東口交差点からこの東大成町交差点までは県道164号線をクルマで走ったことはありますが、ここから先、上尾方面はこれまで一度も走ったことはありません。現在の中山道、国道17号線がすぐ東側を並行するように延びていて、どうしても交通量の多い国道17号線のほうを使ってしまいます。国道17号線はJR宮原駅入口を過ぎた先の吉野町でさらに西側を並行して延びてきた新大宮バイパスと高架の立体交差で合流するのですが、この新大宮バイパスはその国道17号線との合流前に旧中山道(県道164号線)の上を高架で跨いで越えていくので(すなわち、交差しないので)、新大宮バイパスを使って上尾方向を目指す場合には、旧中山道(県道164号線)の存在そのものが分からない(見えない)のです。私は上尾方面に行く時には、大宮の中心部で慢性的に発生する渋滞を避けて、たいていの場合、新大宮バイパスを利用しますから。
……(その2)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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