2017/05/31
中山道六十九次・街道歩き【第12回: 安中→松井田(五料)】(その4)
地蔵堂を後にすると道は曲がりくねり左手前方に妙義山が見え隠れしてくるようになります。右正面には真っ白な浅間山が見えます。
地蔵堂のすぐ近くの道路脇に丸石道祖神が祀られています。
八本木村の戸長役場跡という標識が建っています。
道路はいつの間にやら群馬県道216号長久保郷原線に変わっていました。ここも旧中山道らしい落ち着いた雰囲気の道路です。ところどころに旧中山道であることを示す道標が立っています。ここからは、 ただひたすら松井田宿を目指して歩きます。
このあたりにもところどころにビックリするほど立派なお屋敷が立っています。さすがは旧中山道です。
道端にスイセン(水仙)の花が綺麗に咲いています。色味はまるで茹で卵を切った時のような感じです(笑)
郷原の集落に入りました。郷原の日枝神社です。この神社は神楽殿をくぐって拝殿に至る珍しい様式の神社なのだそうです。鬱蒼とした木々に囲まれる境内は静寂そのものです。
自性寺です。この自性寺には2基の宝篋印塔があり、応永3年(1396年)に作られたものは総高95cm、嘉吉3年(1443年)に作られたものは総高93cmですいずれも相輪、笠、塔身、基礎からなる関東形式の宝篋印塔なのだそうです。
地蔵堂を後にしたあたりから街道筋には道祖神や馬頭観音、庚申塔や夫婦道祖神などがよく目につくようになります。自性寺山門に建つ夫婦道祖神は、男神が徳利、女神が杯を持ったという珍しいものです。
「磯貝雲峰旧宅跡」の表示があります。わざわざ旧宅跡という表示がなされているので、磯貝雲峰さんという方はさぞや有名な方なのではないか…と思ったのですが、残念ながら私は全く存じ上げておりませんでしたので、帰宅後に調べてみました。調べてみると、磯貝雲峰は慶応元年(1865年)、この近隣の生まれ。14歳の時に母親の実家であるここ郷原の磯貝家の養子となり、地元の細野東小学校の校長だった柏木義圓の勧めで明治18年に同郷の先輩である新島襄が設立した同志社英学校に学び、『不如帰』で知られる小説家・徳富蘆花(徳富蘇峰の弟)らと親交を深めたようです。明治22年に同志社英学校を卒業後、名古屋の金城女学校の校長などを勤め、「女学雑誌」、「国民之友」などに詩歌、訳詩、小説、評論等を発表。明治28年に留学のため渡米し、英米文学研究に取り組んだのですが、結核に感染して帰国。治療に専念したものの、明治30年(1897年)、若干32歳の若さで亡くなりました。なお、磯貝雲峰は、徳富蘆花が同志社英学校に通っていた時のことを書いた小説「黒い眼と茶色の目」の中に「片貝芳太郎」として登場しているのだそうです。よく分かりませんが…。松井田にある磯貝雲峰の供養塔の石碑には思想家でジャーナリストであった徳富蘆花の兄・徳富蘇峰による詩文が刻まれているのだそうです。
その磯貝雲峰旧宅跡の斜め向かいに郷原集落の高札場がありました。このお宅の庭に当時のものを再現したのではないか…と思われるものが建っています。
そこから1kmほどは、ただひたすら松井田宿を目指して歩きます。
このあたりに江戸日本橋を出てから31里目の一里塚があったはずなのですが、何も残されておらず、案内標識すら立っていません。
松井田宿を目指してただひたすら歩くのですが、旧中山道らしい街並みが続くので、歩いていてもまったく飽きません。道祖神や庚申塔はところどころにあります。空にはちょっと雲が多くなってきましたが、雨が降る心配はまったくなさそうです。ほとんど無風で、上州名物の“からっ風”の洗礼は今回も浴びなくて済みそうです。
群馬県と言うと忘れてはならないものがあります。それが群馬県のマスコット『ぐんまちゃん』です。この『ぐんまちゃん』、2014年に行われた「ゆるキャラグランプリ2014」におきまして、見事、グランプリを獲得した“ゆるキャラ”界の大スターです。ちなみに、この時の2位はここまで中山道街道歩きで通ってきた埼玉県深谷市のキャラクター『ふっかちゃん』で、3位は私の故郷・愛媛県のイメージキャラクター『みきゃん』、4位は高知県須崎市のキャラクター『しんじょう君』でした。このうち『ふっかちゃん』と『みきゃん』は最高位2位止まりで残念ながらグランプリ獲得はならなかったものの、『しんじょう君』は昨年2016年に行われた「ゆるキャラグランプリ2016」で見事グランプリを獲得しました。そう考えてみると、この2014年に行われた「ゆるキャラグランプリ2014」のレベルがいかに高いものであったのかが窺えます。
群馬の魅力発信サイト『ぐんまちゃんナビ』
ゆるキャラグランプリ2014 結果発表
この『ぐんまちゃん』、群馬県内に入ってからいたるところで見掛けたのですが、ここまでご紹介する機会を逸してきましたので、ここでご紹介させていただきます。『ぐんまちゃん』にはいろいろなバージョンがあるようで、ここで紹介するのは郷原集落で見掛けた「土木工事バージョン」です。郷原集落の中を通る旧中山道では、進行方向右側の道路脇で、長い区間にわたって排水溝の工事が行われていました。道路幅が狭いため、クルマがやって来るのが気になりますが、幸い、この区間を歩いている間はほとんどクルマは通りませんでした。
排水溝の工事区間を過ぎ、ただ黙々と先へ進みます。進行方向には異様な形をした妙義山の山容が見えます。
……(その5)に続きます。
地蔵堂のすぐ近くの道路脇に丸石道祖神が祀られています。
八本木村の戸長役場跡という標識が建っています。
道路はいつの間にやら群馬県道216号長久保郷原線に変わっていました。ここも旧中山道らしい落ち着いた雰囲気の道路です。ところどころに旧中山道であることを示す道標が立っています。ここからは、 ただひたすら松井田宿を目指して歩きます。
このあたりにもところどころにビックリするほど立派なお屋敷が立っています。さすがは旧中山道です。
道端にスイセン(水仙)の花が綺麗に咲いています。色味はまるで茹で卵を切った時のような感じです(笑)
郷原の集落に入りました。郷原の日枝神社です。この神社は神楽殿をくぐって拝殿に至る珍しい様式の神社なのだそうです。鬱蒼とした木々に囲まれる境内は静寂そのものです。
自性寺です。この自性寺には2基の宝篋印塔があり、応永3年(1396年)に作られたものは総高95cm、嘉吉3年(1443年)に作られたものは総高93cmですいずれも相輪、笠、塔身、基礎からなる関東形式の宝篋印塔なのだそうです。
地蔵堂を後にしたあたりから街道筋には道祖神や馬頭観音、庚申塔や夫婦道祖神などがよく目につくようになります。自性寺山門に建つ夫婦道祖神は、男神が徳利、女神が杯を持ったという珍しいものです。
「磯貝雲峰旧宅跡」の表示があります。わざわざ旧宅跡という表示がなされているので、磯貝雲峰さんという方はさぞや有名な方なのではないか…と思ったのですが、残念ながら私は全く存じ上げておりませんでしたので、帰宅後に調べてみました。調べてみると、磯貝雲峰は慶応元年(1865年)、この近隣の生まれ。14歳の時に母親の実家であるここ郷原の磯貝家の養子となり、地元の細野東小学校の校長だった柏木義圓の勧めで明治18年に同郷の先輩である新島襄が設立した同志社英学校に学び、『不如帰』で知られる小説家・徳富蘆花(徳富蘇峰の弟)らと親交を深めたようです。明治22年に同志社英学校を卒業後、名古屋の金城女学校の校長などを勤め、「女学雑誌」、「国民之友」などに詩歌、訳詩、小説、評論等を発表。明治28年に留学のため渡米し、英米文学研究に取り組んだのですが、結核に感染して帰国。治療に専念したものの、明治30年(1897年)、若干32歳の若さで亡くなりました。なお、磯貝雲峰は、徳富蘆花が同志社英学校に通っていた時のことを書いた小説「黒い眼と茶色の目」の中に「片貝芳太郎」として登場しているのだそうです。よく分かりませんが…。松井田にある磯貝雲峰の供養塔の石碑には思想家でジャーナリストであった徳富蘆花の兄・徳富蘇峰による詩文が刻まれているのだそうです。
その磯貝雲峰旧宅跡の斜め向かいに郷原集落の高札場がありました。このお宅の庭に当時のものを再現したのではないか…と思われるものが建っています。
そこから1kmほどは、ただひたすら松井田宿を目指して歩きます。
このあたりに江戸日本橋を出てから31里目の一里塚があったはずなのですが、何も残されておらず、案内標識すら立っていません。
松井田宿を目指してただひたすら歩くのですが、旧中山道らしい街並みが続くので、歩いていてもまったく飽きません。道祖神や庚申塔はところどころにあります。空にはちょっと雲が多くなってきましたが、雨が降る心配はまったくなさそうです。ほとんど無風で、上州名物の“からっ風”の洗礼は今回も浴びなくて済みそうです。
群馬県と言うと忘れてはならないものがあります。それが群馬県のマスコット『ぐんまちゃん』です。この『ぐんまちゃん』、2014年に行われた「ゆるキャラグランプリ2014」におきまして、見事、グランプリを獲得した“ゆるキャラ”界の大スターです。ちなみに、この時の2位はここまで中山道街道歩きで通ってきた埼玉県深谷市のキャラクター『ふっかちゃん』で、3位は私の故郷・愛媛県のイメージキャラクター『みきゃん』、4位は高知県須崎市のキャラクター『しんじょう君』でした。このうち『ふっかちゃん』と『みきゃん』は最高位2位止まりで残念ながらグランプリ獲得はならなかったものの、『しんじょう君』は昨年2016年に行われた「ゆるキャラグランプリ2016」で見事グランプリを獲得しました。そう考えてみると、この2014年に行われた「ゆるキャラグランプリ2014」のレベルがいかに高いものであったのかが窺えます。
群馬の魅力発信サイト『ぐんまちゃんナビ』
ゆるキャラグランプリ2014 結果発表
この『ぐんまちゃん』、群馬県内に入ってからいたるところで見掛けたのですが、ここまでご紹介する機会を逸してきましたので、ここでご紹介させていただきます。『ぐんまちゃん』にはいろいろなバージョンがあるようで、ここで紹介するのは郷原集落で見掛けた「土木工事バージョン」です。郷原集落の中を通る旧中山道では、進行方向右側の道路脇で、長い区間にわたって排水溝の工事が行われていました。道路幅が狭いため、クルマがやって来るのが気になりますが、幸い、この区間を歩いている間はほとんどクルマは通りませんでした。
排水溝の工事区間を過ぎ、ただ黙々と先へ進みます。進行方向には異様な形をした妙義山の山容が見えます。
……(その5)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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