2017/06/16
第24回定時株主総会
昨日、6月15日(木)、東京五反田の「スタンダード会議室五反田ソニー通り店」におきまして、株式会社ハレックスの第24回定時株主総会が開催されました。会社設立以来24回目の定時株主総会、私にとっては代表取締役社長に就任してから14回目の定時株主総会です。早いもので、私がこの会社の代表取締役社長に就任してはや14年が経過しました。
前事業年度(2016年度)もお客様の温かいご支持、そしてなにより社員の皆さんの必死の頑張りのおかげで、辛うじてではありますが黒字を計上することが出来ました。これで5期連続の黒字です。ですから今年の株主総会もある程度気持ちに余裕をもって臨めたようなところはあるのですが、そこは株主総会。株主総会は株主総会です。
改めて私が申し上げることでもないのですが、株式会社というものは株主様からお預かりした資本金を元手にして、社長を始めとした経営陣が事業の執行をしているわけで、1年に一度、資本を出していただいているその株主様に会社の事業の執行状況、と言うより、資本金の運用状況をご報告し、ご承認(信認)を得るのが定時株主総会というものです。ですから、会社を代表する社長としては、さすが1年に1回のこの株主総会の場は緊張してしまいます。
ちなみにハレックス社の株主様は56社にも及びます。私は筆頭株主であるNTTデータの出身ですが、そのNTTデータの持株比率は41.8%。すなわち筆頭株主のNTTデータ様ですら拒否権しか持ち合わせておりません。NTTデータの連結決算対象のグループ会社ではありますが、株主構成的にはどこの支配的な子会社というわけでもなく、当社は完全な“独立会社”であると言えます。ということは、反対に言うと“不安定な身分の代表取締役社長”ってことですから、自分自身が置かれている立場を考えると、そりゃあ余計に緊張もします。
56社の株主様の業種は多岐に渡っていて、質問はそれぞれの職種のお立場から出されることもあり、何をご質問されるか分からない部分があります。毎年、株主総会にはそれなりに事前準備をして臨むのですが、何度臨んでもこればっかりは1年に1回のことなので慣れません。さすがに私も前日あたりから緊張しちゃっていました。
この日、毎年やっているように下着、靴下、そしてワイシャツは新品の物を着用し、定時株主総会の会場へは「タマシイレボリューション」や「マニフェスト」、「Wildflower」、「Alright!!」といったSuperfly (越智志帆さん)の楽曲をイヤーホンで聴きながらテンションをハイに上げて向かいました。この時期、3月末決算の多くの会社が定時株主総会を開催されていることと思いますが、Superflyの楽曲を聴きながら会場入りする社長は私のほかにはいないのではないでしょうか。とにかくSuperflyの楽曲はどの曲も聴くと元気になれるし、「やるぞ!」というテンションも上がります。さすがは“越智氏族の歌姫”です。
毎年、事前に送られてくる委任状で、ある程度、どの株主様が総会に出席されるかが分かります。今年は委任状の数が42社分。結局、今年の定時株主総会は例年よりちょっと少なめの11社の株主様に御出席いただきました。
やはり、5期連続で黒字を計上しているということの意味あいは、自分達が思っている以上に大きいな…と壇上の議長席から会場を見渡しながら思いました。幾つかの審議事項があったのですが、会場からそのつど実に絶妙なタイミングで「異議なし!」の声が出るのは、議長を務めさせていただいていて嬉しいものです。2つほど質問をいただいたのですが、30分弱という短い時間でのいわゆる“シャンシャン総会”でした。こういう株主総会を議長として経験すると、企業を黒字にするということはどういうことなのか…を、改めて実感いたします。ホント得難いとぉ~ってもいい経験を積ませていただいております。
前事業年度(2016年度)における我が国経済は、企業業績の持ち直しや家計での回復の兆しが見られ緩やかに拡大基調を継続しております。また、景気の先行き観につきましても、円安に伴う企業業績の上振れ、製造業での在庫調整の進展、人手不足を背景にした雇用所得の改善、政府による経済対策に伴う公共投資等が景気を下支えに作用し、欧米諸国での政治・政策動向や東北アジア地域での政治的緊張が高まっていることに留意する必要があるものの、東京オリンピックに向けた関連需要の本格化など受けて緩やかに拡大基調を維持していくとみられております。
このような環境のもと、当社といたしましては、2015年度に引き続き「防災・気象」と「IT」の融合を図り、従来の領域・顧客を堅守しつつ、顧客とともに新規サービスを開発し、そこで生まれたサービスを展開可能なソリューションとして広く提供できるよう事業を推進してまいりました。また、新たに24時間・365日稼働の予報センターを設置し、サービス品質の向上やお客様満足度の向上に努めました。
2016年度の業績を主な事業区分で見ますと、まず気象情報配信事業分野においては、オリジナル気象情報サービスの「HalexDream!」を核としたソリューション提供事業の拡大に注力しており、過去データ、アラート等のサービスの拡充ととともに、降灰・火山関連情報、防水・止水情報等の新たなサービスの追加を図って新規顧客を獲得した結果、前事業年度の売上高を上回る成果を挙げることができました。
緊急地震速報事業では既存の防災情報送出システムの機能追加の提案や、新規システムの受注活動を展開した結果、前事業年度の売上を上回ることになりました。
気象予報士請負・派遣事業では、気象庁「地方公共団体の防災対策支援のための気象予報士活用モデル事業」を受注し、気象予報士活用の活路を図るなどに努めましたが、特定の事業者に依存する構造の中で、労働者派遣法、労働法等の改正の影響により、前事業年度に引き続き売上高は大幅に減少しました。
販売費及び一般管理費については、事業確保のための体制整備を進めながらも、効率的な事業運営に努めた結果、販売費、管理費ともに前事業年度に比べ減少しました。
その結果、2016年度における業績は、売上高、営業利益、経常利益ともほぼ前事業年度(2015年度)並みを維持し、5期連続の単年度黒字を達成することができました。
2016年度、5期連続で単年度黒字を達成したとは言え、まだまだ油断はならない経営状況が続いています。2016年度も前事業年度に引き続き、既存の気象予報士請負・派遣事業の売上額の大幅な減少があったものの、営業利益率の高い付加価値サービスへの脱皮が徐々に進み、そういう中でも営業利益、経常利益、当期純利益において、なんとか前事業年度並みの黒字を達成することができました。今後も引き続き、収益性の高い事業の成長に努め、同時に他の事業の黒字化を確実なものとすることにより、事業運営の安定と収益構造の改善を目指し、累積損失を着実に解消させるということを、株主の皆様にお約束させていただきました。
また、気象情報の活用により経済活動や社会の安心・安全を支えるという社会的使命を遂行するための活動と、事業の成長とそれによってもたらされる利益の確保を通じて、株主様、お取引先様、従業員等のステークホルダーに対する責任を果たすための活動を取組みの両輪として、継続して事業を推進していきたい…と、社長の大役を務めさせていただいております身としては、心から思っております。
今後の課題といたしましては、近年の労働者派遣法や労働契約法等の改正の影響により、今年度(第25期)も気象予報士の請負・派遣事業の事業規模が大幅に縮小する見通しです。このような状況下において、当社は特定の事業者に依拠する派遣事業への依存体質から脱却するために、気象庁の自治体派遣モデル事業の受注や予報センターの取り組みを通して、派遣以外の気象予報士の活用事業の拡大に努めておりますが、緒に就いたばかりで収益面では厳しく、黒字化は道半ばの状況であります。
こうしたポートフォリオの変更の影響を吸収すべく、気象情報配信事業及び緊急地震速報事業を引き続き重点事業と位置づけ、事業拡大と収益性の改善を同時に図り、更なる収益を獲得するための体制整備を推進しているところです。具体的には、気象情報配信事業では、従来型の単純な情報提供事業から、より高い営業利益率が期待できる活用される気象情報サービスの比率を高めることを目標として、オリジナル気象情報サービス「HalexDream!」を核に共通化を図ったソリューション提供事業において、過去データ、アラート機能等を加え、建設や農業などの新規市場も見据えて、引き続き顧客開拓に積極的に取り組んでまいります。
緊急地震速報事業においては、地上波放送局、衛星放送局向け災害情報システムの実績を活かして、放送業界に向けた同システムの横展開を図り、グループ会社との協業等を通じて販路を拡げて事業拡大に取り組んでまいります。
気象予報士ビジネスついては、派遣事業環境の悪化、気象予報士試験受験者数の減少や気象予報士有資格者の不足などにより、従来の事業は大変厳しい状況でありますが、引き続き気象予報士の活用事業に注力し、防災分野や農業分野も含めて気象予報士の活用の機会や場を創出し、収支を合わせられよう取り組んでまいる所存です。
今年は役員改選期ではないのですが、所属なさっている会社の人事異動の関係で非常勤取締役(社外取締役)の辞任が2名あり、新たに2名の取締役を選任していただきました。ちなみに、私も緊急動議を発動されることなく留任が承認され、また、株主総会後の取締役会で、今期も引き続き私が代表取締役社長に就くことが承認されました。そのいっぽうで、常勤の常務取締役の交代を承認していただきました。
これで私はハレックス社の社長就任15年目に入ります。お預かりするハレックスという会社も就任1年目と比べて規模が大きくなり、事業の内容も大きく変化を遂げてきました。お取り引きさせていただくお客様も多岐に渡るようになってきていて、責任もますます増してきていることを実感しているところです。
今年度は第25期、すなわち会社創立から四半世紀(25年)という節目の年にあたります。国税庁が調査した「中小企業が設立から倒産するまでの期間」をまとめたデータ、いわゆる「会社生存率」(=「企業存続率」)によりますと、会社設立から5年以上続く確率は約15%、10年以上存続する確率は約6%、20年以上存続する会社は僅かに0.3%だと言われています。そういう中にあって、弊社ハレックスが今年度、創業25年目を迎えられるということは本当にありがたいことだと心から思っております。これもひとえに弊社ハレックスを支えていただきました株主の皆様、お客様、パートナー会社の皆様、社員の皆様等のおかげだと心より感謝いたしております。本当に本当にありがとうございます。
まだまだ厳しい経営環境にあることに変わりはありませんが、社員・経営陣一丸となって皆様のご期待にお応えできるように邁進していく覚悟でおりますので、引き続き今年度2017年度も、よろしく、よろしく、お願い申し上げますm(__)m
【追記】
定時株主総会の日、私は毎年、下着、靴下、そしてワイシャツは新品の物を着用するというのは前述のとおりですが、もう1つやっていることがあって、それは1年にこの日1回だけ締めるネクタイがあるってことです。それがこれです。
柄がまさに気象情報会社…って感じのネクタイでしょ。特注品ではなくて、一応、Salvatore Ferragamoの既製品です。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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