2017/07/31
中山道六十九次・街道歩き【第13回: 松井田(五料)→軽井沢】(その12)
右にカーブしていく舗装道路が明治11年(1878年)9月の明治天皇の北陸東海御巡幸の際に開削された道路、左へ行く道は見晴台や遊歩道に続く道で、駐車場脇から谷間を直進して急坂を下っていく細い道が旧中山道です。駐車場の脇に「旧中山道」の説明版があります。これに気付く人は少ないでしょうね。説明板には、
「旅人の身を 粉に砕く 難所道 石のうすいの 峠なりとて」
「苦しくも 峠を越せば 花の里 みんな揃って 身は軽井沢」
と、当時の旅人がこの道の険しさを詠った和歌が記されています。気持ちがよぉ~~く分かります。
上部に写っている舗装道路のほうは、長野県道133号旧軽井沢軽井沢停車場線。明治11年(1878年)9月の明治天皇の北陸東海御巡幸の際に開削された道路で、現在はさらに道幅が広げられ舗装もされて、クルマで簡単にこの旧碓氷峠の熊野神社まで来られるようになっています。また、見晴台の入口からは「碓氷峠遊覧歩道」という近年になって整備された遊歩道もあり、そのどちらを使っても軽井沢宿まで下っていけるのですが、私達は旧中山道を歩くのが目的なので、そうした道は通らず、あくまでも谷底に下りていく感じで谷間を通る“旧中山道”を進みます。
この旧中山道は途中で消滅していて歩くことができないという話も聞くのですが、今回の『中山道六十九次・街道歩き』を企画してくれた某旅行会社は独自の調査でその旧中山道の道筋を探し出し、今日はその道を歩くのだそうです。楽しみではあるのですが、ウォーキングリーダーさんが発した「途中、えっ!これが中山道?…っていうアドベンチャー体験を皆さんにやっていただくことになります」という言葉がちょっと引っ掛かります。
崩れかけた急勾配の道を黙々と降りていきます。下りはさすがに皆さん速いです。旧中山道というよりも“廃道”と言ったほうがいいくらいの道ですが、「中山道」の道標が辛うじてこの道が旧中山道であることを示しています。
道は藪の中に消失しかかっていて分かりづらいので、慣れたウォーキングリーダーさんがいないと、個人的にこの道にチャレンジするのはちょっと無理かも…。
ウォーキングリーダーさんがおっしゃっていた“アドベンチャー体験”ってこのことだったのですね。ここから先には沢があって、ロープを伝っていったん低い谷底に降りていき、すぐにその谷底から上がってくる…という道になります。こうやってロープを使い、後ろ向きになって斜面を足で踏ん張りながら降りていきます。もうここまでくると“登山”ですd(^_^o) おそらく昔はこの間には小さな橋が架けられていたのではないでしょうか。その橋がこの沢で発生した土石流かなにかで流されてしまったのでしょう。それが、旧中山道が途中で消失しているってことなんでしょう。それで、この『中山道六十九次街道歩き』を企画していただいた某旅行会社がロープを使って通れるようにしたのでしょう。大名行列や皇女和宮の降嫁の大行列が、このようにロープを使って通ったとはとても思えませんから。
その証拠に、この下には砂防ダムがあって、また谷底から斜面を上がると、そこに道が現れてきます。なるほど、なるほどぉ~。
旧中山道が消失しているところはもう1ヶ所あって、ここにも沢があって、いったんロープを使って谷底に降り、再び斜面を登ってくるということをします。この沢にも下流側には砂防ダムがあります。
このアドベンチャーゾーンの斜面を上がると、そこからはこれまでとは違って、幾分幅の広い道となります。しかも平坦で歩きやすい。よく見ると路面には轍の跡があります。おそらく先ほどの砂防ダムを建設する時の工事用車両が通った跡ではないかと想像できます。それにしても、新緑の候で、木々の緑がとても綺麗です。ここを歩くだけでも価値があります。
しばらく歩くと、どなたかの別荘があり、別荘が点在するエリアに入っていきます。いかにも避暑地の遊歩道のような道になってきましたが、ここが古い歴史が残る旧中山道です。
ここにも熊注意の看板が…。こんな別荘が点在するところにも熊が出没するのですね。
舗装された広い道路に出てきました。この舗装された広い道路は、碓氷峠頂上の熊野神社のところで分岐した明治天皇御巡幸道(長野県道133号旧軽井沢軽井沢停車場線)です。
しばらく舗装された旧中山道を歩きます。
「上信越高原国立公園 碓氷峠」のデッカイ石碑が突然目に飛び込んできました。上信越高原国立公園は、長野県を中心に、新潟県、群馬県にまたがる国立公園で、このエリアは群馬県と新潟県の県境にある三国山脈南西部の志賀高原を中心とする高層湿原や浅間、本白根、草津など今なお活発な火山活動を続ける地域を含み、苗場などの火山が集まる日本で最も火山の密集した地域となっています。なので、このあたりの旧中山道沿線は自然の風景も美しいわけです。
……(その13)に続きます。
と、当時の旅人がこの道の険しさを詠った和歌が記されています。気持ちがよぉ~~く分かります。
上部に写っている舗装道路のほうは、長野県道133号旧軽井沢軽井沢停車場線。明治11年(1878年)9月の明治天皇の北陸東海御巡幸の際に開削された道路で、現在はさらに道幅が広げられ舗装もされて、クルマで簡単にこの旧碓氷峠の熊野神社まで来られるようになっています。また、見晴台の入口からは「碓氷峠遊覧歩道」という近年になって整備された遊歩道もあり、そのどちらを使っても軽井沢宿まで下っていけるのですが、私達は旧中山道を歩くのが目的なので、そうした道は通らず、あくまでも谷底に下りていく感じで谷間を通る“旧中山道”を進みます。
この旧中山道は途中で消滅していて歩くことができないという話も聞くのですが、今回の『中山道六十九次・街道歩き』を企画してくれた某旅行会社は独自の調査でその旧中山道の道筋を探し出し、今日はその道を歩くのだそうです。楽しみではあるのですが、ウォーキングリーダーさんが発した「途中、えっ!これが中山道?…っていうアドベンチャー体験を皆さんにやっていただくことになります」という言葉がちょっと引っ掛かります。
崩れかけた急勾配の道を黙々と降りていきます。下りはさすがに皆さん速いです。旧中山道というよりも“廃道”と言ったほうがいいくらいの道ですが、「中山道」の道標が辛うじてこの道が旧中山道であることを示しています。
道は藪の中に消失しかかっていて分かりづらいので、慣れたウォーキングリーダーさんがいないと、個人的にこの道にチャレンジするのはちょっと無理かも…。
ウォーキングリーダーさんがおっしゃっていた“アドベンチャー体験”ってこのことだったのですね。ここから先には沢があって、ロープを伝っていったん低い谷底に降りていき、すぐにその谷底から上がってくる…という道になります。こうやってロープを使い、後ろ向きになって斜面を足で踏ん張りながら降りていきます。もうここまでくると“登山”ですd(^_^o) おそらく昔はこの間には小さな橋が架けられていたのではないでしょうか。その橋がこの沢で発生した土石流かなにかで流されてしまったのでしょう。それが、旧中山道が途中で消失しているってことなんでしょう。それで、この『中山道六十九次街道歩き』を企画していただいた某旅行会社がロープを使って通れるようにしたのでしょう。大名行列や皇女和宮の降嫁の大行列が、このようにロープを使って通ったとはとても思えませんから。
その証拠に、この下には砂防ダムがあって、また谷底から斜面を上がると、そこに道が現れてきます。なるほど、なるほどぉ~。
旧中山道が消失しているところはもう1ヶ所あって、ここにも沢があって、いったんロープを使って谷底に降り、再び斜面を登ってくるということをします。この沢にも下流側には砂防ダムがあります。
このアドベンチャーゾーンの斜面を上がると、そこからはこれまでとは違って、幾分幅の広い道となります。しかも平坦で歩きやすい。よく見ると路面には轍の跡があります。おそらく先ほどの砂防ダムを建設する時の工事用車両が通った跡ではないかと想像できます。それにしても、新緑の候で、木々の緑がとても綺麗です。ここを歩くだけでも価値があります。
しばらく歩くと、どなたかの別荘があり、別荘が点在するエリアに入っていきます。いかにも避暑地の遊歩道のような道になってきましたが、ここが古い歴史が残る旧中山道です。
ここにも熊注意の看板が…。こんな別荘が点在するところにも熊が出没するのですね。
舗装された広い道路に出てきました。この舗装された広い道路は、碓氷峠頂上の熊野神社のところで分岐した明治天皇御巡幸道(長野県道133号旧軽井沢軽井沢停車場線)です。
しばらく舗装された旧中山道を歩きます。
「上信越高原国立公園 碓氷峠」のデッカイ石碑が突然目に飛び込んできました。上信越高原国立公園は、長野県を中心に、新潟県、群馬県にまたがる国立公園で、このエリアは群馬県と新潟県の県境にある三国山脈南西部の志賀高原を中心とする高層湿原や浅間、本白根、草津など今なお活発な火山活動を続ける地域を含み、苗場などの火山が集まる日本で最も火山の密集した地域となっています。なので、このあたりの旧中山道沿線は自然の風景も美しいわけです。
……(その13)に続きます。
執筆者
株式会社ハレックス
前代表取締役社長
越智正昭
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